ファイルサーバーの更改に伴い、クラウドストレージを検討される企業さんが増えています。SharePoint Online も移行先候補として検討されることが多く、よくご相談をいただきます。
この記事ではファイルサーバーの移行先としてSharePoint Online を検討する際、押さえておくべきポイントについて説明します。
ファイルサーバーと SharePoint Online の違い
ここではファイルサーバーをWindows ベースのファイルサーバーとして説明します。
基本的にファイルサーバーはLANやWANで接続された社内ネットワーク内にあることが多いです。そのため接続は社内ネットワーク経由となります。アクセス権限の管理は Active Directory で行われ、データ保護のため適宜バックアップやレプリケーションが必要です。
SharePoint Online は Microsoft 365 ライセンスに含まれるサービスで、その機能のひとつにドキュメント管理があります。
保存先はマイクロソフトが保有するプラットフォームで、インターネット経由で接続します。アクセス権限の管理はAzure Active Directory を使って行われます。バージョン管理やインフラの運用保守はマイクロソフトがサービスとして提供してくれるので、利用者は考慮する必要がありません。
SaaSサービスであるSharePoint Online はシステム運用保守の工数がかからない点で、メリットがあるといえるでしょう。
SharePoint Online の制限事項
SharePoint Online にはいくつかの制限事項があります。
ファイルサーバーから移行する場合、この制限事項に抵触して移行がうまくいかないケースが考えられます。
容量制限
テナント全体の SharePoint Online の容量は、1TB+10GBxライセンス保持人数です。
移行元のデータ量がこれを上回る場合は追加課金で容量を増やす必要があります。
たとえばライセンス保持人数が50名のテナントの場合、1.5TBの容量が使えます。
なお、バージョン管理機能で保持するバージョン分も容量が消費されます。「移行元が1.5TBでSharePoint Online 側の容量も1.5TBだからぎりぎりいけるかな」という判断は危険です。SharePoint Online 側の容量はある程度バッファを設けておく必要があります。
無効な文字
特定の文字はSharePoint Online や Ondrive、Windows上で特別な意味を持ちます。Linuxベースのファイルサーバーからの移行やMacからの移行の場合、無効な文字にあたり移行が失敗する可能性があります。
無効な文字は以下通りです。
" * : < > ? / \ |
(ファイル名またはフォルダー名の先頭と末尾のスペースも使用できません)。
これら文字を含む場合は、移行前に削除または別の文字に置き換える必要があります。
無効なファイル名またはフォルダ名
以下の名前はファイルまたはフォルダに使用することができません。
.lock、CON、PRN、AUX、NUL、COM0 - COM9、LPT0 - LPT9、_vti_、desktop.ini、~ $ から始まるファイル名。
これら名前を含む場合は、移行前に削除または別の名前に置き換える必要があります。
参考:OneDrive と SharePoint の制限事項と制約事項
SharePoint Online の情報漏洩対策
SharePoint Online はクラウドサービスであるためインターネットさえつながればアクセスすることができます。場所やデバイスにとらわれない利用ができる一方、情報漏洩に注意を払う必要があります。
多要素認証の活用
万が一IDとパスワードが漏洩した場合、悪意のある第三者によってSharePoint Online 上の情報資産へ不正アクセスされる危険性があります。
不正アクセスへの対策としては多要素認証の活用がおすすめです。
パスワードだけでなく、多要素認証(MFA)を活用することで不正アクセスを防ぐことができます。
共有ポリシーの策定
SharePoint Online は共有リンクというものを発行してファイルを共有することができます。
便利な機能ですが、社外秘ファイルを外部へ共有してしまったり、共有したまま放置されてしまったりすることで情報漏洩に繋がる恐れがあります。
会社全体またはサイトごとに社外への共有リンク発行を制限することや、リンクの有効期限を1週間に指定するなど、共有ポリシーを策定することが大切です。
まとめ
ファイルサーバーからSharePoint Onlineへ移行を検討されている方向けへポイントをご説明しました。
本記事に記載したポイントは代表的なモノであり、状況やセキュリティポリシーによっては他にも考慮しないといけない点がでてきます。
もし移行をご検討で判断が難しいようでしたら、お気軽にお問い合わせください。
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