2023年7月11日 YouTubeチャンネル「Microsoft 365 Japan」にて、「Microsoft Build Japan : Microsoft 365 Copilot いまお伝えできること」という動画が公開されました。
この動画は2023年6月27日と6月28日の2日間に渡って実施された「Microsoft Build Japan」でのミニセッション「Microsoft 365 Copilot いまお伝えできること」のアーカイブ動画で、Microsoft 365 Copilotの最新情報を紹介しています。
この記事では動画の内容を要約するとともに、特に気になった点について詳しく書いていきます。
動画内容の要約
Microsoft 365 Copilotは、Microsoftの全ての製品にAI機能を搭載するというCEOのSatya Nadellaの発表に基づき、Microsoft Cloudの6つのサービス群に導入される予定です。具体的には、Office(現在はMicrosoft 365 Appsと呼ばれています)やWindows OS、Enterprise Mobility + Securityなどが含まれます。
Microsoft 365 Copilotの特徴的な点は、GPT-4というAIとMicrosoft Graphというデータ交換システムを使用していることです。ユーザーが自然言語で指示を出すと、CopilotはまずGraphにアクセスして情報を取得し、その情報を基にGPT-4で操作を行います。
具体的な使用例としては、以下のようなものがあります:
- PowerPoint:ユーザーが提案を作成する際、既存のWordファイルを元にしてPowerPoint文書を作成することができます。また、テキストだけのスライドに視覚的な要素を追加するように指示することも可能です。
- Excel:データの分析と要約を行います。例えば、Excelのデータから3つのポイントを挙げるように指示すると、それに基づいて表やグラフを作成します。また、問題のある部分を色分けするように指示すると、Copilotがそれを実行します。
- Teams:会議のアクションアイテムや会議のポイントを抽出します。また、誰が何時に話していたかを視覚化する機能もあります。
Microsoft 365 Copilotは、ユーザーが安全に操作できるように支援する存在として位置づけられています。そのため、プライバシーやセキュリティに関しては、Microsoftが全ての可能な対策を講じていると約束しています。具体的には、Copilotのデータはそのテナントの中でのみ活用され、Microsoft が何かのビジネスに活用することはないと明言しています。
なお、Microsoft 365 Copilotのリリース日や価格についてはまだ決まっていません。詳細はMicrosoftからのフォローアップレポートをお待ちください。
参考:Microsoft Build Japan : Microsoft 365 Copilot いまお伝えできること
特に気になった点
パワーポイント トークスクリプト作成
スライドの内容をもとにトークスクリプトを作成してくれる機能です。
Copilot を活用することで指示したテーマに応じたスライドを自動作成することができます。
これだけでも十分便利なのですが、スライドのトークスクリプトまで自動生成してくれるようです。
現在、セミナー資料などの話すパートが多いスライドについては1枚1枚トークスクリプトを自分で考えて発表者メモに記載しています。一部Chat GPTを使って下書きを作成しますが、作成内容を都度指示する必要があるため面倒です。
Copilot の導入によってトークスクリプト作成工数が削減されることは、大きな効率化に繋がります。
Teams会議 フォロー機能
自分が出席していないWeb会議の内容を要約して伝えてくれる機能です。
(動画 13:30~)
いままで自分が出席できない会議があった場合は、出席者からその内容をヒアリングするか議事録が残っている場合はその議事録を確認する必要がありました。
Copilot で新たに導入されるフォローという機能を使えば、あらかじめ参加できない会議を「フォロー」することで会議終了後にTeamsチャットで会議内容の要約を報告してくれます。
これによりヒアリングする手間や議事録作成を行う工数を削減することが期待できます。
どこまで正確に要約してくれるのかは気になりますが、下手にまた聞きして個人のバイアスがかかった情報よりも事実ベースのフラットな情報をキャッチアップできるので、かなり期待している機能のひとつです。
Copilot データは外部に漏れない
Copilot に蓄積されたデータはテナントの中でのみ活用され、外部に漏れることがありません。
Chat GPTは便利なツールである一方、入力したデータが予期せぬ情報漏洩に繋がる危険性があります。実際社外への情報漏洩を危惧して実務で利用できていない企業さんが多いようです。
Copilot は蓄積されたデータをテナント外へ共有せず、Microsoft 自身もそのデータをもとに何かのビジネスに利用することはないと明言しています。
これにより、いまは普段の業務でAIを活用できていない多くの企業が今後AIの力を使って業務効率化、新しい価値の創造を実現できるのではないかと考えています。