Entra ID に参加している端末では、通常クラウドアカウント(Microsoft 365 アカウントなど)でサインインすることが多いですが、既に作成済みのローカルアカウントを利用したいケースもあります。たとえば、ネットワーク障害やライセンスの問題で一時的にクラウド認証が使えない場合など、ローカルアカウントが役立ちます。
そこで本記事では、Entra ID Join 端末でローカルプロファイル(ローカルユーザーアカウント)を使ってサインインする具体的な手順について解説します。Windows 10 / Windows 11 を対象にしています。
ローカルユーザーでサインインするメリット

ネットワーク依存が少ない
クラウド認証が利用できない場合でも、ローカルアカウントであればオフライン環境でサインインできます。
一時的なトラブルに対応可能
ネットワーク障害やアカウントのライセンス切れなどでクラウド認証が失敗した場合のバックアップ手段として利用できます。
個人設定の引継ぎ
クラウドアカウントでサインインする際、プロファイルに依存するユーザー設定を引き継ぎ忘れることがあります。一度ローカルユーザーでサインインして環境の引継ぎができます。
Entra ID端末でローカルユーザーとしてサインインする方法

以下の手順を行うことで、Entra ID に参加している Windows 端末でも、既存のローカルアカウント(ローカルプロファイル)を使用してサインインできます。
1. 画面左下の [スタートボタン] をクリックします。
2. [ユーザーアイコン] をクリックし、表示されたメニューから [サインアウト] を選択します。
サインアウトが完了すると、Windows のサインイン画面に移行します。
1. サインイン画面左下にある [他のユーザー] をクリックします。
2. ここではクラウドアカウント(メールアドレス)ではなく、ローカルアカウントでのサインインを行います。
1. ユーザー名入力欄に、通常のメールアドレス形式ではなく 「.(ドット バックスラッシュ)」 を先頭につけて入力します。
2. 例)「.\localuser」のように、「.\」の後ろにローカルユーザーの名前を入れます。
ローカルアカウント用のパスワードを入力し、Enter キーを押します。
正しくパスワードを入力できれば、ローカルアカウントのデスクトップが表示され、従来のローカルプロファイル環境にアクセスできます。
トラブルシューティング:サインインできない場合

パスワードの再確認
ローカルアカウントのパスワードを再度チェックしてください。大文字・小文字の入力ミスや NumLock キーの状態などに注意しましょう。
アカウントの存在確認
実際にそのローカルユーザーが作成されているか、または削除されていないかを「コンピューターの管理」>「ローカル ユーザーとグループ」などで確認してみてください。
「.\」の入力忘れ
ローカルアカウントの入力時に「.\」を付け忘れると、クラウド認証を試みてしまいエラーが発生することがあります。
管理者ユーザーでのサインインも検討
権限不足でサインインできない場合、管理者権限を持ったアカウントなのかを確認してください。
まとめ
Entra ID に参加している端末でも、「.\ユーザー名」形式でローカルアカウントを指定すれば、従来のローカルプロファイルに簡単にアクセスできます。ネットワーク障害やライセンスの問題でクラウド認証が使えない場合にご活用ください。
本記事がローカルユーザーでのサインイン方法を再確認する際のお役に立てば幸いです。
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