「Teamsのチャットで使った、あの便利なLoopコンポーネント…」 「後で見返したいけど、あのファイル、結局どこに保存されているんだろう?」

リアルタイムで共同編集ができるMicrosoft Loopは、会議の議事録やアイデア出しに非常に便利なツールです。しかし、その便利さの一方で、作成したLoopファイルが「どこに保存されるのか」が非常に分かりにくい、という問題に直面していませんか?

従来のWordやExcelファイルのように、単純にOneDriveやSharePointに保存されるわけではないため、IT担当者として、管理方法やデータの所在について不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、Microsoft Loopのファイルが、作成した場所によって異なる3つの保存先(SharePoint Embedded, OneDrive, SharePoint)に、どのように振り分けられるのか、その複雑な仕組みを分かりやすく解説します。

Microsoft Loop アプリとは?

Microsoft Loop は、リアルタイムで共同作業を行うための最新コラボレーション プラットフォームです。Loop コンポーネント(テキスト、表、To Do リストなど)を複数アプリ間でシームレスに共有・編集可能であり、複数ユーザーが同時に同じページを編集し、最新情報が即時反映されるのが大きなメリットです。

SharePoint Embeddedとは?

「SharePoint Embedded(コンテナー)」は、Microsoft 365 の標準的なチームサイトや OneDrive とは別に用意された“組織内アプリ専用のストレージ領域”です。

【最重要】Loopの保存場所は「作り方」によって3種類に分かれる

まず結論から言うと、Loopファイルの保存場所は、ユーザーがLoopを「どこで、どのように作成したか」によって、以下の3パターンに自動で決まります。

  1. SharePoint Embedded(←最も一般的だが、一番分かりにくい)
  2. OneDrive for Business
  3. SharePoint Online(従来のドキュメントライブラリ)

この3つの違いを見ていきましょう。

Teamsチャット、Outlookメール、Word Onlineなどで「コンポーネント」として作成

保存場所:SharePoint Embedded

これが、Loopの保存場所を最も分かりにくくしている要因です。 Teamsのチャットやメールの本文に、「Loopコンポーネント」(表やリストなど、アプリの一部品)として挿入した場合、そのデータは、私たちが見慣れたSharePointサイトやOneDriveには保存されません。

それは、「SharePoint Embedded」と呼ばれる、ユーザーからは直接見えない、Loop専用の「裏側」のストレージに保存されます。この仕組みにより、Loopコンポーネントは特定のファイル場所に縛られず、どのアプリ(Teams, Outlookなど)からでも同じ内容をリアルタイムで編集できるのです。

Loopアプリ本体で、新しい「ページ」として作成

保存場所:作成者の「OneDrive for Business」

Webブラウザや専用アプリでLoop(https://www.google.com/search?q=loop.microsoft.com)を開き、ワークスペース内で「新しいページ」として、白紙の状態から文書を作成した場合。 このLoopページ(.loopファイル)は、Word文書などと同じように「個人のファイル」として扱われ、作成者本人のOneDrive for Business内の「Loop」フォルダ(または「Microsoft Teamsチャットファイル」など)に保存されます。

SharePointサイトの「新規」メニューから作成

保存場所:その「SharePoint Online」サイト

チームで共有するSharePointサイトのドキュメントライブラリを開き、「新規」メニューから「.loop ページ」(または「Loopコンポーネント」)を選択して作成した場合。 このLoopファイルは、そのチームの「共有資産」として扱われ、作成場所であるSharePointサイトのドキュメントライブラリに、他のWordやExcelファイルと並んで保存されます。

日々のトラブル、まずこの一冊で解決しませんか?

Loopの保存場所のように、Microsoft 365には「裏側」の仕組みが複雑で、直感的に理解しにくい設定やトラブルが数多く存在します。「SharePointで共有したはずのファイルにアクセスできない」「Teamsの会議録画はどこに保存されるの?」といった問い合わせは、後を絶ちません。

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Microsoft Loopの保存場所に関するよくある質問(FAQ)

Q
Loopコンポーネントを削除したい場合は、どうすればいいですか?
A

最も簡単な方法は、そのLoopコンポーネントが貼り付けられているTeamsチャットやOutlookのメッセージ自体を削除することです。また、Loopコンポーネントの右上にあるリンク(loop.microsoft.com/...)にアクセスし、ファイルのオプションから「削除」を選択することでも削除できます。

Q
会社のセキュリティポリシー上、Loopの利用を禁止することはできますか?
A

はい、管理者はSharePoint管理センターやPowerShellを通じて、組織全体でLoopコンポーネントの作成・利用を無効化(禁止)する設定が可能です。

Q
SharePoint Embeddedも、SharePointのストレージ容量を消費しますか?
A

はい、消費します。SharePoint Embeddedに保存されるLoopコンポーネントのデータも、組織のSharePoint全体のストレージ容量(テナント容量)の一部としてカウントされます。

Q
チャットで作ったLoopコンポーネントを、後からチームのSharePointサイトに「移動」できますか?
A

現状、SharePoint EmbeddedからSharePointサイトへ、ファイルを直接「移動」させる簡単な機能はありません。Loopコンポーネントの内容をコピーし、SharePointサイト上で新しくLoopページを作成して、そこに貼り付けるといった手動での作業が必要になります。

まとめ:「どこで使うか」で保存場所が変わると理解しよう

Microsoft Loopの保存場所が複雑なのは、それが「ファイル」でありながら、アプリの「部品(コンポーネント)」としても機能するという、新しい思想に基づいているためです。

  • チャットやメールで、部品として使う → SharePoint Embedded(裏側)
  • 個人で、じっくり文書として使う → OneDrive(個人)
  • チームで、資産として共有する → SharePoint(チーム)

まずは、この3つの使い分けを理解するところから始めてみてください。

他社の成功事例から、活用のヒントを得ませんか?

今回はLoopのような新しいツールの活用法に焦点を当てましたが、Microsoft 365には、他にもSharePointを使ったポータル構築や、Power Automateでの業務自動化など、生産性を向上させるための活用法が無限に存在します。

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