SharePointを運用していると、ストレージの容量がいっぱいになってしまうことがあります。容量不足は業務効率の低下や運用コストの増加を招くため、早急な対策が必要です。
この記事では、容量不足時に実施すべき具体的な手順として、無駄なファイルの削除、ゴミ箱内のファイルも含めた完全な削除、そしてバージョン履歴の保持設定の見直しについて詳しく解説します。
無駄なファイルの削除
SharePointのストレージ容量を最適に管理するためには、無駄なファイルの削除が欠かせません。定期的なファイル監査を実施することで、不要なファイルや古いドキュメント、重複しているファイルを特定し、整理することが可能です。以下のポイントを参考に、運用ルールとして明文化することで、効率的な容量管理を実現しましょう。
定期的なファイル監査
各部署やチームで、システムに保存されているファイルの一覧を定期的に確認し、業務上不要となったファイルや長期間利用されていないドキュメントを洗い出す運用ルールを策定します。
重複ファイルの削除
同じ内容のファイルが複数存在する場合、重複ファイルを特定し、一つにまとめる、または不要なファイルを削除することで、無駄なストレージの消費を防ぎます。
ゴミ箱内のファイルも削除が必須
SharePointでは、ファイルを削除するとまず第一段階のゴミ箱に移動され、その後第二段階のゴミ箱に移行されます。しかし、これらのゴミ箱内に残されたファイルも実際のストレージ容量を消費しており、十分な容量回復を図るためには、ゴミ箱内のファイルも定期的に完全削除する必要があります。
第一段階と第二段階のゴミ箱の管理
SharePointには二重のゴミ箱機能があり、第一段階のゴミ箱に加え、第二段階のゴミ箱にも削除済みファイルが移動されます。どちらも容量を占有するため、両方のゴミ箱を定期的にチェックして不要なファイルを削除する運用が求められます。
90日間の保持期間の制約
ゴミ箱内のファイルはシステム仕様により90日間保持され、この期間を短縮することはできません。そのため、標準の保持期間が過ぎる前に不要なファイルを削除したい場合は、手動または自動での定期的な削除作業が必要です。
バージョン履歴の保持設定の見直し
SharePointのバージョン管理機能は、ファイルの変更履歴を保存することで作業の追跡や誤操作のリカバリーに役立ちます。しかし、既定では無制限にバージョンが保持されるため、時間が経つにつれて大量の履歴データが蓄積され、ストレージ容量を圧迫する可能性があります。容量不足を防ぐため、バージョン履歴の保持設定を見直し、適切な運用ルールを策定することが重要です。
保持期間の短縮
SharePoint管理センターでは、ファイルの新規バージョンについて、保持期間を任意の期間(例えば30日)に設定することができます。これにより、一定期間を過ぎた古いバージョンは自動的に削除され、無駄な容量消費を抑制できます。設定できる最短期間は29日です。ただし、この設定変更は今後追加されるファイルに対してのみ有効であり、変更前に作成されたバージョン履歴には影響しません。
設定箇所は、「SharePoint管理センター」>「設定」>「バージョン履歴の制限」

保持数の削減
保持期間と同様にバージョンの保持数を制限することで、常に最新の数バージョンのみを保存する運用に変更することが可能です。設定できる最小保持数は100バージョンです。
既存ファイルへの対応
設定変更前から存在するファイルは、変更後も以前のバージョン履歴が残ったままとなります。たとえば、バージョン保持期間を30日に短縮したとしても、変更前に1年間分の履歴が保持されている場合、そのまま残ってしまいます。これらの既存ファイルについては以下の手順で対応が必要です。
まとめ
SharePointの容量不足は、無駄なファイルの削除とバージョン管理の見直しによって対策可能です。
- 無駄なファイルの削除: 定期的に不要なファイルを削除し、ゴミ箱も空にする。
- バージョン履歴管理: 管理センターから保持期間や保持数を見直すが、既存ファイルにはPowerShellによる手動対応が必要。
これらの手順を踏むことで、SharePointのストレージ効率を改善し、運用コストの低減およびシステムパフォーマンスの向上を実現できます。今後の運用計画にぜひ取り入れてください。
Microsoft 365に関するご相談はWITHWITへ
Microsoft 365に関するご相談やお悩みがございましたら、ぜひWITHWITまでお気軽にお問い合わせください。
数あるクラウドサービスの中でMicrosoft 365 に特化してきたからこそ導入前から導入後の定着に至るまで、幅広いご相談に対応いたします。