「Teamsの無料版を使っているけど、60分の制限が厳しくなってきた…」
「有料版にしたいけど、全員分の『Business Basic』を契約するのは予算オーバー…」
「うちはGoogle Workspaceを使っているから、Teamsのメール機能はいらないんだけど…」
Web会議が定着した今、こうした悩みを抱える中小企業の担当者様は非常に多いです。
そんな声に応えて登場したのが、「Microsoft Teams Essentials」というプランです。
月額数百円という安さで、時間無制限の会議や録画機能が使えるため、一見すると「これで十分!」と思いがちです。
しかし、安さには明確な「理由(機能制限)」があります。
これを知らずに導入すると、「ファイル容量がすぐに一杯になった!」「予定表がうまく連携できない!」といったトラブルになりかねません。
この記事では、Teams Essentialsの特徴と、定番の「Microsoft 365 Business Basic」との決定的な違い、そして自社にはどちらが合っているのかを判断するためのポイントを分かりやすく解説します。
Microsoft Teams Essentials とは?

一言で言えば、「Teamsの会議とチャット機能だけを切り出した、低価格な有料プラン」です。
これまで、Teamsの有料版を使うには、グループウェア機能(メールやSharePointなど)がセットになった「Microsoft 365 Business Basic」などを契約するのが一般的でした。
しかし、Teams Essentialsは「メールやOfficeアプリはいらないから、Teamsだけしっかり使いたい」というニーズに特化しています。
- 会議時間: 60分 → 30時間(実質無制限)
- 参加人数: 100人 → 300人
- 重要機能: 会議の録画・文字起こしが可能に
【徹底比較】Teams Essentials vs Business Basic
では、多くの企業が導入している「Business Basic」とは何が違うのでしょうか?
表で比較すると、その差は一目瞭然です。
| 比較項目 | Teams Essentials | Microsoft 365 Business Basic |
| 月額費用(参考) | 約 599円 | 約 899円 |
| 会議時間・人数 | 30時間 / 300人 | 30時間 / 300人 |
| 会議の録画 | 〇 可能 | 〇 可能 |
| メール (Exchange) | × なし (別途必要) | 〇 あり (50GB) |
| ファイル容量 | 10GB / ユーザー | 1TB / ユーザー |
| Web版 Office | × なし (閲覧のみ等) | 〇 あり (Word/Excel編集可) |
| SharePoint | × なし (簡易機能のみ) | 〇 あり (全社ポータル等) |
(※価格は2025年12月現在のものです。税抜価格や契約条件は公式サイトでご確認ください。)
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/essentials?activetab=pivot:%E6%A6%82%E8%A6%81tab
ここが落とし穴!Essentialsの「3つの注意点」
価格差(約300円)の裏には、以下の大きな機能差があります。ここが許容できるかが、選定の分かれ道です。
「メール機能」がない
Essentialsには、会社のメールアドレス(Exchange Online)が含まれていません。
そのため、会議の予定表を使うには、現在お使いのメールと連携させる必要があります。「Teamsだけでメールもカレンダーも完結させたい」という場合は、Business Basicが必要です。
ストレージ容量が「たったの10GB」
ここが最大の注意点です。Business Basicが「1TB(1000GB)」使えるのに対し、Essentialsは「10GB」しかありません。
Teamsでチャットに資料を添付したり、会議の録画データを保存したりすると、10GBはあっという間に埋まってしまいます。 「ファイルを頻繁にやり取りする」運用には向きません。
SharePointの「チームサイト」が作れない
Business Basicなら、部署ごとのポータルサイトや高度なファイル管理ができる「SharePoint」がフル機能で使えますが、Essentialsにはこれがありません。
ファイル管理はあくまで「チャットの延長」レベルに留まります。
【結論】どちらを選ぶべき?

Teams Essentials がおすすめな企業
- Google Workspaceなどを既に導入しており、メールやファイル管理はそちらで行っている。
- Teamsは「Web会議」と「テキストチャット」のためだけに使いたい。
- とにかくランニングコストを最安に抑えたい。
Microsoft 365 Business Basic がおすすめな企業
- 会社のメールや予定表、ファイル管理をMicrosoft 365に一本化したい。
- 10GBの容量制限を気にせず、会議の録画や資料共有をガンガン行いたい。
- 将来的に、他のMicrosoft 365アプリ(PlannerやFormsなど)も活用したい。
迷ったら「Business Basic」をお勧めします。
差額は数百円ですが、1TBのストレージとメール機能が含まれるコストパフォーマンスは圧倒的です。
後から「容量が足りない!」となってプラン変更する手間を考えると、最初からBasicにしておく方が、IT担当者の負担は少なくなります。
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Teamsのプラン選びも重要ですが、導入後の「Web会議で音が聞こえない」「ゲストが招待できない」といった日々のトラブル対応も、IT担当者の頭を悩ませる種です。
もし、あなたがそんな日々の問い合わせ対応に追われ、本来の業務に集中できずにいるなら、まずこの一冊を手元に置いてみてはいかがでしょうか。
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Teams Essentialsに関するよくある質問(FAQ)
- QEssentialsプランでも、社外の人をゲスト招待できますか?
- A
はい、可能です。有料版の機能として、外部ユーザーを会議やチャットに招待することができます。
- Q途中でBusiness Basicにアップグレードできますか?
- A
はい、可能です。管理センターからライセンスを変更することで、データを保持したままアップグレードできます(ただし、逆にダウングレードする場合は容量オーバーに注意が必要です)。
- Q個人向けの「Microsoft 365 Personal」とは何が違いますか?
- A
Personalはあくまで個人用(家庭用)アカウントです。Essentialsは「法人用(組織用)」アカウントとして管理できるため、社員のアカウント管理やセキュリティ設定を会社側でコントロールできる点が大きく異なります。
- Q会議の録画データはどこに保存されますか?
- A
ユーザーごとのOneDrive領域(10GBの枠内)に保存されます。録画データは容量を食うため、こまめな削除や移動が必要になる場合があります。
まとめ:自社の「現在の環境」に合わせて選ぼう

Teams Essentialsは、「Google Workspace環境だけどTeams会議が必要」といった、「併用ユーザー」にとっては最強のコスト削減プランです。
一方で、これからMicrosoft 365で社内基盤を整えたい企業にとっては、機能不足になる可能性が高いでしょう。
「今、メールやファイルはどこにあるか?」を基準に、最適なプランを選んでみてください。
他社の成功事例から、活用のヒントを得ませんか?
「他の会社は、Teamsをどうやって業務に定着させているんだろう?」
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