「Microsoft Loopって何?」「どのライセンスなら使えるの?」「自社に必要な機能はどのプランで使えるんだろう?」

昨今、共同作業の効率化ツールとして注目を集めるMicrosoft Loop。しかし、その多機能さゆえに、どのMicrosoft 365ライセンスで何ができるのか、分かりにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、法人向けMicrosoft 365プランに焦点を当て、Microsoft Loopを利用できるライセンスと、それぞれのライセンスで「できること」「できないこと」を徹底解説します。自社に最適なプランを選び、Loopを最大限に活用するための参考にしてください。

はじめに:共同作業を加速するMicrosoft Loopとは?

Microsoft Loopは、チーム、コンテンツ、タスクを1つの場所に集約し、リアルタイムでの共同作業を革新するツールです 。チャットやメール、ドキュメントなど、さまざまなアプリケーション間で情報を同期しながら、効率的にプロジェクトを進めることができます 。  

Microsoft Loopの3つのコア機能

Loopの理解に不可欠な3つの基本要素を見ていきましょう 。  

  1. Loopコンポーネント:
    リスト、テーブル、投票、タスクリストなど、単独で共有・編集可能なコンテンツの断片です。TeamsのチャットやOutlookのメール、Word Onlineなどに埋め込むと、どこで編集してもリアルタイムで同期されます 。  
  2. Loopページ:
    Loopコンポーネントやファイル、リンク、データなどを自由に配置できる柔軟なキャンバスです。アイデア出しからプロジェクト管理まで、さまざまな用途で活用できます。
  3. Loopワークスペース:
    プロジェクトに関連する情報やメンバー、タスクを集約する共有スペースです。チーム全体の進捗状況を把握しやすくなります。

これらの要素を組み合わせることで、チームのコラボレーションは飛躍的に向上します。

【重要】法人向けライセンス別 Microsoft Loop機能対応一覧(2025年1月~)

早速ですが、どの法人向けライセンスでLoopのどの機能が使えるのか、一覧表で確認しましょう。特に2025年1月1日からの変更点は重要ですので、しっかり押さえておきましょう 。  

ライセンスプランLoopコンポーネントとページの作成・利用Loopワークスペースの新規作成とメンバー管理 (2025年1月1日以降)
Microsoft 365 Business Standard◎ 可能◎ 可能
Microsoft 365 Business Premium◎ 可能◎ 可能
Microsoft 365 E3◎ 可能◎ 可能
Microsoft 365 E5◎ 可能◎ 可能
Microsoft 365 Business Basic◎ 可能× 不可
Microsoft 365 F1◎ 可能× 不可
Microsoft 365 F3◎ 可能× 不可
Office 365 E1◎ 可能× 不可
Office 365 E3◎ 可能× 不可
Office 365 E5◎ 可能× 不可
Office 365 F3◎ 可能× 不可

この表から分かるように、Loopの基本的な機能である「Loopコンポーネントとページの作成・利用」は、多くの法人向けライセンスで可能です。しかし、プロジェクト管理のハブとなる「Loopワークスペースの新規作成とメンバー管理」については、ライセンスによって可否が分かれます。

ライセンス別:Loopで「できること」「できないこと」を深掘り!

それでは、各ライセンスグループで具体的に何ができて、何ができないのかを詳しく見ていきましょう。

フル機能アクセス可能!これらのライセンスならLoopを最大限活用

以下のライセンスをご利用の場合、Microsoft Loopの全機能を活用できます。

  • Microsoft 365 Business Standard  
  • Microsoft 365 Business Premium  
  • Microsoft 365 E3  
  • Microsoft 365 E5  

できること:

  • Loopコンポーネントの作成、共有、編集:
    Teams、Outlook、Word Online、Whiteboard、OneNoteなどでLoopコンポーネントを自由に作成し、リアルタイムで共同編集できます 。  
  • Loopページの作成、共有、編集:
    Loopアプリ内で自由にページを作成し、情報やアイデアを集約できます。
  • Loopワークスペースの新規作成とメンバー管理:
    プロジェクトごとにワークスペースを立ち上げ、メンバーを招待し、アクセス権を管理できます。これにより、チームでの大規模な共同作業や情報集約がスムーズに行えます 。  

できないこと(標準機能において):

  • 基本的にLoopの標準機能はすべて利用可能です。
  • ただし、後述するAI機能「Copilot in Loop」の利用には別途ライセンスが必要です。

これらのライセンスは、Loopを組織のコラボレーションの中核として本格的に導入し、プロジェクト管理や情報共有の効率を大幅に向上させたい企業に適しています。

一部機能に制限あり!これらのライセンスでのLoop活用法

以下のライセンスでは、Loopコンポーネントとページの利用は可能ですが、Loopワークスペースの作成と管理機能に制限があります。

  • Microsoft 365 Business Basic
  • Microsoft 365 F1 (現場担当者向け)
  • Microsoft 365 F3 (現場担当者向け)
  • Office 365 E1
  • Office 365 E3
  • Office 365 E5
  • Office 365 F3 (現場担当者向け)

できること:

  • Loopコンポーネントの作成、共有、編集:
    上位ライセンスと同様に、TeamsやOutlookなどでLoopコンポーネントを活用したリアルタイムの共同編集が可能です 。  
  • Loopページの作成、共有、編集:
    Loopアプリ内でページを作成し、情報をまとめることができます 。  
  • 既存のLoopワークスペースへの参加と貢献:
    上位ライセンスを持つユーザーが作成したワークスペースに招待されれば、そのワークスペース内のページやコンポーネントを閲覧・編集できます。

できないこと(2025年1月1日以降):

  • 新規Loopワークスペースの作成  
  • Loopワークスペースへのメンバーの追加・削除  

これらのライセンスを持つユーザーは、主にLoopコンポーネントやページを活用した日々の業務連絡や情報共有、または上位ライセンスを持つユーザーが主導するプロジェクトへの参加者としての役割が中心となります。自身でプロジェクトの器となるワークスペースを立ち上げることはできませんが、コラボレーションの輪に参加し、貢献することは十分に可能です。

AIでさらに進化!Microsoft LoopとCopilot

出典:Copilot in Loopを使用してコンテンツを下書きして追加する

Microsoft Loopは、生成AI「Copilot」と連携することで、さらに強力なツールへと進化します。Copilot in Loopを利用すると、コンテンツの下書き作成、要約、アイデア出しなどをAIがサポートしてくれます 。  

ただし、Loop内でCopilot機能を利用するには、Loopが利用可能なMicrosoft 365ライセンスに加えて、別途「Copilot for Microsoft 365」プランの契約が必要です 。Copilotの利用を検討している場合は、この追加ライセンスも考慮に入れましょう。  

参考:Copilot in Loopを使用してコンテンツを下書きして追加する

自社に最適なライセンスを選ぶための3つのポイント

どのライセンスが自社に最適か、以下の3つのポイントで考えてみましょう。

  1. Loopワークスペースの作成・管理が必要か?
    • チームで主体的にプロジェクトを立ち上げ、情報を集約・管理する役割が多い場合は、ワークスペース作成権限のあるMicrosoft 365 Business Standard/Premium、E3/E5が推奨されます。
    • 主に既存のプロジェクトに参加したり、コンポーネント単位での情報共有が中心であれば、Business BasicやFシリーズ、旧Office 365 Eシリーズでも対応可能です。
  2. 利用するチームの規模と使い方
    • 全社的にLoopを導入し、部門横断的なコラボレーションを推進したい場合は、多くのユーザーがフル機能を使えるライセンス体系を検討する必要があります。
    • 特定の部門やプロジェクトチームでの利用が中心であれば、必要なユーザーに上位ライセンスを割り当てる形も考えられます。
  3. 予算
    • 当然ながら、ライセンスによって月額費用は異なります 。必要な機能と予算のバランスを考慮し、最適なプランを選びましょう。  

まとめ:賢いライセンス選択でMicrosoft Loopを使いこなそう

Microsoft Loopは、ライセンスによって利用できる機能に違いがあります。特に「Loopワークスペース」の作成・管理権限は、2025年1月以降、特定のライセンスに限定されるため注意が必要です 。  

  • フル機能(ワークスペース作成含む)が必要な場合:
    Microsoft 365 Business Standard, Business Premium, E3, E5
  • コンポーネント・ページ利用が中心の場合:
    Microsoft 365 Business Basic, F1, F3, Office 365 E1, E3, E5, F3

自社の利用シーンや目的に合わせて最適なライセンスを選択し、Microsoft Loopの強力なコラボレーション機能を最大限に引き出しましょう。この記事が、あなたの会社の生産性向上の一助となれば幸いです。

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