「新規事業の企画、何から手をつければいいか分からない…」 「営業提案の前に、競合の最新動向をサクッと把握したい」 「市場調査に何時間もかけているが、もっと効率化できないだろうか?」

ビジネスの戦略を立てる上で、競合分析や市場調査は不可欠です。しかし、これらの情報収集は非常に時間がかかり、本来注力すべき企画立案や営業活動を圧迫してしまうことも少なくありません。

もし、あなたの隣に、膨大なWeb上の情報を瞬時に整理・分析してくれる優秀なリサーチアシスタントがいたらどうでしょう?

MicrosoftのAIである「Copilot Chat」は、まさにその役割を果たしてくれます。この記事では、Copilot Chatを活用して、これまで数時間かかっていた競合分析と市場調査の初動を、わずか10分で完了させるための具体的なステップとプロンプト(指示文)をご紹介します。

Copilot Chatとは?(商用データ保護の重要性)

Copilot Chat(旧Bing Chat Enterprise)は、多くのMicrosoft 365法人向けライセンスに含まれている、ビジネス向けのチャットAIです。Web上の公開情報を基に、人間のように自然な対話形式で回答を生成してくれます。

ビジネスで利用する上で最も重要な点は「商用データ保護」が標準で有効になっていることです。あなたが入力した内容は、外部に漏れたり、AIの学習データとして使われたりすることがないため、安心して業務に関するリサーチに利用できます。

Copilot Chat へのアクセス方法

以下いずれかの方法でアクセスすることができます。

  • ブラウザからhttps://m365.cloud.microsoft/chat/ヘアクセス
  • Microsoft Edge へMicrosoft 365 アカウントでサインインし、右上のCopilot アイコンをクリック
  • Teams アプリ左メニューから「Copilot」をクリック

【実践】Copilot Chatを使った10分間リサーチ術

それでは、具体的なリサーチのステップを見ていきましょう。以下のプロンプトをコピー&ペーストし、[ ]の中をあなたのビジネスに合わせて書き換えるだけで、誰でも簡単に実践できます。

ステップ1:競合の特定と概要把握(約3分)

まずは、調査対象となる競合を特定し、その全体像を掴みます。

【プロンプト例】

「[自社の業界]業界における、[自社名]の主な競合企業を3社教えてください。」

Copilot Chatが3社をリストアップしたら、それぞれの企業について深掘りします。

【プロンプト例】

「[競合企業名]の事業内容と、主な強み・弱みを要約して。」

ステップ2:SWOT分析で戦略を可視化(約4分)

次に、競合の状況をより構造的に理解するため、ビジネス分析のフレームワークである「SWOT分析」を依頼します。

【プロンプト例】

「[競合企業名]について、SWOT分析の形式で、内部環境の「強み」「弱み」、外部環境の「機会」「脅威」をそれぞれ具体的にリストアップしてください。」

これにより、競合がどのような立ち位置にあり、どのような戦略を取る可能性があるのかを客観的に把握できます。

ステップ3:市場トレンドと自社の戦略を考察(約3分)

最後に、視点を市場全体に移し、自社が取るべきアクションのヒントを得ます。

【プロンプト例】

「[自社の業界]業界における、2025年現在の最新の市場トレンドや、顧客ニーズの変化について、重要なポイントを3つ挙げてください。」

そして、締めくくりに、これまでの分析結果を統合してもらいます。

【プロンプト例】

「ここまでの競合分析と市場トレンドを踏まえて、[自社名]が今後3ヶ月で注力すべき戦略について、具体的なアイデアを3つ提案してください。」

わずか10分で、これだけの情報と戦略のたたき台が手に入るのです。

外部の調査はAI、では「社内の調査」はどうしますか?

Copilot Chatは、Web上にある”外部”の情報を集め、ビジネスのヒントを与えてくれる強力な武器です。

しかし、あなたが日々直面しているのは、”社内”の情報が見つからない、という問題ではないでしょうか。 「あのプロジェクトの最新資料はどこ?」 「経費精算のルール、誰に聞けばいいんだっけ?」

Teams AIチャットボットは、そんなあなたの会社の”内部”に特化したAIアシスタントです。SharePointやOneDriveにある膨大な社内文書を学習し、社員からの質問にTeams上で即座に回答します。

外部調査はCopilot Chat、社内調査はTeams AIチャットボット。この使い分けが、組織全体の生産性を飛躍的に向上させます。


Copilot Chat活用に関するよくある質問(FAQ)

Q
Copilot Chatが提供する情報は、どのくらい正確ですか?
A

Copilot ChatはWeb上の公開情報を基にしているため、情報は常に最新とは限りません。また、生成AIの特性上、事実に基づかない情報(ハルシネーション)を生成する可能性もあります。調査の「たたき台」「初動調査」として活用し、最終的な意思決定に用いる重要なデータは、必ず公式情報などで裏付けを取ることが重要です。

Q
会社の機密情報をプロンプトに入力しても大丈夫ですか?
A

Copilot Chatには「商用データ保護」機能があるため、入力内容が外部に漏洩したり、AIの学習に使われたりすることはありません。しかし、調査対象はあくまで「Web上の公開情報」であるため、そもそも機密性の高い非公開情報を入力しても、有効な回答は得られません。

Q
Microsoft 365 Copilotとの違いは何ですか?
A

最も大きな違いは、参照するデータの範囲です。Copilot Chatは「Web上の公開情報」を基に回答します。一方、有料版のMicrosoft 365 Copilotは、Web情報に加えて、あなたの会社の「SharePointやTeamsといった、社内データ」を安全に参照し、「先週のA社とのメールを要約して」といった、より業務に即した回答を生成できます。

Q
日本語でも、英語と同じように使えますか?
A

はい、Copilot Chatは高度な多言語モデルを搭載しており、日本語でも非常に自然で高精度な応答が可能です。この記事で紹介したようなビジネスリサーチも、問題なく日本語で実行できます。

Q
もっと詳細な分析はできますか?
A

はい、もちろんです。今回の10分間リサーチは、あくまで初動調査のフレームワークです。SWOT分析の結果について「その『弱み』について、もっと具体的な事例を教えて」といったように、対話を続けることで、特定のトピックを無限に深掘りしていくことが可能です。

まとめ:AIを「アシスタント」として、リサーチの初動を効率化しよう

今回は、MicrosoftのAI「Copilot Chat」を使って、これまで時間のかかっていた競合分析や市場調査を、わずか10分で完了させるための実践的な方法をご紹介しました。

AIの回答を鵜呑みにするのではなく、あくまで優秀な「リサーチアシスタント」として使いこなし、情報収集の時間を短縮することで、私たちはより創造的で、付加価値の高い「考える」業務に集中できるようになります。

ぜひ、今日からあなたのビジネスにCopilot Chatを取り入れてみてください。

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