30分後に迫った、新規クライアントとの重要な商談。 しかし、日々の業務に追われ、相手企業について満足に調べる時間がなかった…。

営業担当の方であれば、誰もがこのような焦りを感じた経験があるのではないでしょうか。準備不足は、商談の質を下げ、大きなビジネスチャンスを逃す原因になりかねません。Webサイト、ニュースリリース、SNS…情報源は無数にありますが、それらを限られた時間で読み解くのは至難の業です。

このような課題を解決する、心強い味方がMicrosoftのAIである「Copilot Chat」です。この記事では、Copilot Chatを活用して、これまで1時間以上かかっていた商談前のリサーチを、質の高い「ブリーフィング(事前説明資料)」として数分で作成する、新しい常識をご紹介します。

なぜ商談前リサーチにCopilot Chatが最適なのか?

Copilot Chat(旧Bing Chat Enterprise)は、多くのMicrosoft 365法人向けライセンスに含まれている、安全なビジネス向けのチャットAIです。商談前リサーチにおける最大のメリットは、「情報収集」と「情報整理」を同時に行える点にあります。

担当者が10個のWebサイトをタブで開いて情報を探している間に、Copilot Chatはそれらの情報を網羅的に読み解き、要点を整理して提示してくれます。さらに、「商用データ保護」が有効なため、入力したリサーチ内容が外部に漏れる心配もなく、安心して利用できる点も大きなメリットです。

【コピペで実践】Copilot Chatを使った商談前ブリーフィング作成術

以下の4つのステップに沿ってCopilot Chatに質問(プロンプトを入力)するだけで、誰でも質の高い事前ブリーフィングを作成できます。[ ]の中を、これから訪問する企業名などに書き換えて、ぜひそのまま使ってみてください。

ステップ1:企業の基本情報を掴む

まずは、相手がどのような会社なのか、その全体像を把握します。

【プロンプト例】

「[企業名]の事業内容、主要な製品やサービス、企業理念について、公式サイトや公開情報から要約してください。」

ステップ2:最新の動向を把握する

次に、直近の活動内容を尋ね、会話のきっかけを探ります。

【プロンプト例】

「[企業名]に関する、ここ3ヶ月以内の最新のニュースやプレスリリースを3つ探し、それぞれ2文で要約してください。」

ステップ3:相手の「課題」を推測する

相手のビジネス環境を理解し、どのような課題を抱えている可能性があるかを推測します。これが、提案の土台となります。

【プロンプト例】

「[企業名]が属する[業界名]業界が、現在直面している主な課題や市場の変化は何ですか?3つのポイントで教えてください。」

ステップ4:提案の「切り口」を見つける

最後に、これまでの情報を統合し、自社の提案がどのように相手の役に立てるのか、具体的な切り口をAIと一緒に考えます。

【プロンプト例】

「上記の企業情報と業界の課題を踏まえ、当社の[自社の製品/サービス]が、[企業名]のどのような課題解決に貢献できるか、提案の切り口となるアイデアを3つ挙げてください。」

これらのステップを踏むことで、自信を持って商談に臨むための、心強い準備が整います。

お客様の調査はAIで。では「自社の情報」はどうしますか?

Copilot Chatは、商談相手の”外部”情報を瞬時に把握するのに役立ちます。しかし、いざ商談が始まり、お客様から自社に関する鋭い質問をされた時、即座に答えられるでしょうか?

「御社の〇〇という製品と、△△という製品の細かい違いは?」 「以前、A社に導入した時の、具体的な事例資料が見たいのですが…」

こんな時、社内の情報に特化したAIアシスタントがいれば、非常に心強い存在になります。

Teams AIチャットボットは、会社のSharePointやOneDriveにある製品資料や過去の提案書をすべて学習し、「〇〇と△△の違いは?」といった質問に、Teams上ですぐに回答を返してくれます。商談中にPCの裏で、もう一人の頼れる同僚のようにサポートしてくれるのです。

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『問い合わせ対応を80%削減!Teams AIチャットボット活用術』


Copilot Chat活用に関するよくある質問(FAQ)

Q
リサーチする相手が非上場の中小企業でも、情報は得られますか?
A

はい、得られます。ただし、AIが参照するのはWeb上の公開情報のため、企業の公式サイトやニュース記事、業界メディアでの掲載など、Web上での露出度によって得られる情報の質と量は変わります。

Q
情報のソース(情報源)は確認できますか?
A

はい、Copilot Chatの回答には、通常、情報源となったWebサイトへの参照リンクが脚注として表示されます。重要な情報を商談で利用する際は、必ず一次情報源も確認する習慣をつけましょう。

Q
毎回同じような質問をするのが面倒です。もっと楽になりませんか?
A

今回紹介した4つのステップのプロンプトを、テキストファイルやOneNoteなどに「商談前リサーチ用テンプレート」として保存しておくのがおすすめです。[企業名]の部分だけを書き換えれば、いつでも同じ品質のリサーチができます。

Q
この機能は、Microsoft 365 Copilotとは違うのですか?
A

はい、異なります。Copilot Chatは「Web上の公開情報」を基に回答します。一方、有料版のMicrosoft 365 Copilotは、Web情報に加えて、会社の「過去のメールのやり取りや、Teamsの会議録」といった、より深い社内データを安全に参照し、「昨年、このお客様に何を提案した?」といった問いにも答えることができます。

Q
特定の個人の情報を調べることはできますか?
A

役員情報や過去のインタビュー記事など、Web上で公開されている情報であれば調査可能です。ただし、個人情報の取り扱いには十分注意し、あくまでビジネス上の適切な範囲で利用することが重要です。

まとめ:AIとの「共同作業」で、商談の質を高めよう

Copilot Chatは、商談前のリサーチを「時間のかかる雑務」から、「短時間で本質を掴む戦略的活動」へと変革してくれます。AIが収集・整理した質の高い情報をインプットとして、担当者はより人間的な「提案の組み立て」や「関係構築」に時間と能力を集中させることができます。

これからの営業担当者にとって、AIをいかに「優秀なアシスタント」として使いこなすかが、成果を分ける大きな鍵となるでしょう。

Microsoft 365の「複雑さ」に、プロの助けが必要な時は

Copilot Chatのような高度な機能を活用するためにも、まずは日々の業務で使うツールの安定稼働が欠かせません。しかし、Outlookのメールが突然送れなくなったり、SharePointのファイルが消えてしまったりと、予期せぬトラブルはつきものです。

もし、ITの細かな設定やトラブル対応から解放され、本来の業務に集中したいとお考えでしたら、私たちWITHWITにご相談ください。

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