「Teamsのチャットで来た質問、メールで来た依頼、廊下での立ち話…。あちこちから来る問い合わせに、自分の仕事が全く進まない」 「この質問、前にも答えたはずなのに…」

総務や経理、IT担当といったバックオフィス部門の方は、このような悩みを抱えていないでしょうか。社内の問い合わせ対応は重要な業務ですが、その窓口やルールが整備されていないと、担当者の時間を奪い、会社全体の生産性を低下させる大きな原因となります。

この記事では、多くの企業が直面している「社内問い合わせ」の課題を整理し、Microsoft 365の標準機能を活用して、スマートに社内問い合わせを効率化するための具体的なステップをご紹介します。

「仕組みがない」ことで生まれる、3つの非効率

まず、問い合わせ対応の仕組みが整備されていないことで、どのような問題が発生するのかを改めて確認しましょう。

  1. 担当者の業務が頻繁に中断される:
    問い合わせが来るたびに、集中していた業務が中断。このコンテキストスイッチの繰り返しが、大きな生産性のロスを生みます。
  2. 質問者が誰に聞けばいいか分からない:
    担当が不明確なため、とりあえず知っていそうな人に質問が集中。結果的に「たらい回し」が発生し、回答を得るまでに時間がかかります。
  3. ナレッジが蓄積されない:
    口頭や個人チャットで回答した内容は、その場限りで消えてしまいます。同じような質問が何度も繰り返され、組織としての知識(ナレッジ)が全く蓄積されません。

具体的な解決策:Microsoft 365で作る問い合わせ対応フロー

これらの課題は、Microsoft 365のツールを組み合わせることで、段階的に解決できます。

【ステップ1】Microsoft Formsで「問い合わせ窓口」を一本化する

まず着手すべきは、問い合わせの入り口を一つに絞ることです。そのための最適なツールがMicrosoft Formsです。

なぜFormsなのか?

Formsで専用のフォームを作成することで、「誰が」「いつ」「何について」「どのくらい急ぎで」問い合わせているのか、必要な情報を漏れなく、決まったフォーマットで受け取ることができます。口頭やチャットでの「ところで、〇〇の件なんですけど…」といった曖昧な質問を防ぎます。

具体的な作成手順

Microsoft 365のアプリ一覧から「Forms」を起動します。

「新しいフォーム」をクリックします。

「氏名」「所属部署」「問い合わせのカテゴリ(例:IT関連, 経理関連, 備品関連)」「件名」「詳細内容」といった項目を追加します。

「回答を収集」をクリックして、発行されたURLを社内に展開します。

連携テクニック

このフォームの共有リンクを、社内ポータルやTeamsのチャネルに掲示し、「ご質問はこちらのフォームからお願いします」と周知します。さらに、Power Automateを使えば、「フォームが送信されたら、Teamsの担当者チャネルに通知する」といった連携も可能です。

【ステップ2】AIチャットボットで「よくある質問」を自動化する

問い合わせ窓口を一本化すると、どのような質問が頻繁に寄せられるかが見えてきます。次のステップは、その中でも特に多い「よくある質問」の対応を自動化することです。

相性が良い問い合わせの種類

  • IT関連: 「PCのパスワードリセット方法は?」「〇〇(アプリ名)の使い方は?」
  • 人事・労務関連: 「有給の申請方法は?」「健康診断の案内はどこ?」
  • 経理関連: 「経費精算の締め日は?」「交通費の申請ルールは?」

これらの質問は、回答がある程度決まっているため、AIチャットボットが最も得意とする領域です。Teamsと連携するAIチャットボットを導入すれば、社員はTeams上で質問するだけで、24時間365日、AIから即座に回答を得られるようになります。

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仕組み作りの前に、日々のトラブルをまず解決しませんか?

問い合わせフローの仕組みを構築するのは、非常に効果的ですが、少し時間のかかるプロジェクトです。しかし、その間にも、社員からの日々のトラブルシューティングに関する質問は止まりません。

「Outlookのメールが取り消せない!」 「Teamsで、なぜかファイルが添付できない…」

もし、あなたがそんな日々の問い合わせ対応に追われ、本来の業務に集中できずにいるなら、まずこの一冊を手元に置いてみませんか? Microsoft 365支援のプロが、現場で実際に寄せられるよくある質問と解決策を厳選してまとめた「トラブルシューティング大全」をご用意しました。この一冊が、あなたと社員の双方を、日々の細かなトラブルから解放します。

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社内問い合わせの効率化に関するよくある質問(FAQ)

Q
Formsで受け付けた問い合わせは、誰がどう管理するのが良いですか?
A

例えば、「IT担当」といった非公開のTeamsチャネルを作成し、フォームが送信されたらそこに通知が飛ぶように設定するのがお勧めです。担当者チームはそのチャネルを定期的に確認し、誰が対応するかをメンションし合うなど、チームで問い合わせを管理できます。

Q
AIチャットボットには、どんな質問から学習させるのが効果的ですか?
A

まずは、寄せられる質問の中で、最も頻度が高く、かつ回答がシンプルなものから始めるのが成功の秘訣です。過去のメールやチャットログを参考に、「よくある質問トップ10」をリストアップし、そのQ&AをAIに学習させることから始めましょう。

Q
問い合わせのルールを導入すると、社員から反発がありそうです。
A

新しいルールを導入する際は、その目的と、質問者側にもメリットがあることを丁寧に説明することが重要です。「フォームから質問いただくことで、対応漏れがなくなり、より確実にお答えできます」といったメリットを伝え、まずは特定の部署からスモールスタートするのも良い方法です。

Q
Formsの作り方がよく分かりません。
A

Microsoft Formsは、特別な知識がなくても、質問項目を直感的に追加していくだけで簡単にフォームを作成できます。もし、通知連携など、より高度な設定にご興味があれば、弊社、株式会社WITHWITにぜひご相談ください

Q
AIチャットボットの導入は、専門家でなくてもできますか?
A

近年のAIチャットボットは、プログラミング知識が不要な「ノーコード」「ローコード」のツールが主流です。ただ回答精度を向上させたり回答のニュアンスを調整するとなると専門家の支援が必要です。弊社、株式会社WITHWITではAIチャットボットの導入支援も行っております。ぜひご相談ください。

まとめ:「聞かれない仕組み」が、会社全体の生産性を向上させる

社内問い合わせの効率化とは、単に担当者の負担を減らすだけではありません。それは、質問者が回答を待つ時間をなくし、組織全体のナレッジを蓄積し、全社員が本来の創造的な業務に集中できる環境を作る、攻めの業務改善です。

Microsoft 365のツールを活用し、「人に聞く」文化から、「仕組みで解決する」文化へとシフトしていきましょう。

Microsoft 365の運用・活用、専門家と一緒に進めませんか?

今回ご紹介したような、FormsとAIチャットボットを組み合わせた社内問い合わせの仕組み化は、Microsoft 365の活用における非常に効果的な一歩です。 しかし、「自社の場合は、どこから手をつければいいのか分からない」「もっと自社に合ったやり方があるはずだ」とお悩みかもしれません。

私たちWITHWITのMicrosoft 365 利活用コンサルティングでは、お客様の状況を丁寧にヒアリングし、最適な問い合わせフローの設計から導入まで、ステップバイステップでご支援します。

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まずは、日々のトラブル解決から

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