Googleが提供する、ドキュメントベースのAIアシスタント「NotebookLM」。その高度な分析・要約機能は、情報収集や学習の効率を大きく向上させるツールとして、多くのビジネスパーソンから注目を集めています。
その一方で、Microsoft 365を業務の中心に据える企業からは、「Microsoft 365にも、同じような機能はないのだろうか?」という声が聞かれるようになりました。
その答えとなるのが、Microsoft 365 Copilotのライセンスに含まれる「ノートブック」機能です。この記事では、MicrosoftのAIであるCopilotの「ノートブック」と、Googleの「NotebookLM」を、ビジネス活用の視点から比較し、それぞれの特徴と最適な使い分けについて、率直な所感も交えながら解説します。
基本機能の比較:Copilot「ノートブック」 vs Google「NotebookLM」

まず、両者の中核となる機能について見ていきましょう。
共通点:ファイルベースのAIチャット機能(RAG)
「ノートブック」と「NotebookLM」の最も基本的な機能は、ユーザーがアップロードしたファイル(PDF、Word文書など)の内容をAIが理解し、その情報に基づいて質問に答えたり、要約を作成したりする、いわゆるRAG(Retrieval-Augmented Generation)と呼ばれる技術です。
この点においては、どちらのツールも非常に精度が高く、数十ページにわたる複雑な資料からでも的確に要点を抽出してくれるため、基本的なRAGチャットとしての性能に大きな差はない、と考えてよいでしょう。
注目機能:「音声概要」の比較
両ツールには、アップロードしたファイルの内容を音声で解説するオーディオファイルを生成する「音声概要」機能が搭載されています。資料を「聴く」ことで、移動中などの隙間時間にもインプットが可能になる便利な機能です。
しかし、生成される音声の質には、現時点で少し違いがあるように感じられます。
実際に聴き比べてみると、Copilotの音声は、GoogleのAI音声と比較して、やや機械的でイントネーションに不自然さを感じる、という印象を受けます。今後のアップデートによる改善が期待されるポイントです。
NotebookLMにあって、Copilot「ノートブック」にない機能
2025年9月現在、GoogleのNotebookLMに搭載されている、以下のような多角的な学習支援機能は、Copilotの「ノートブック」にはまだ実装されていません。
- マインドマップの自動生成
- 内容を解説する動画の生成
- FAQ、レポート、フラッシュカード、テストといった学習コンテンツの自動生成
そのため、資料を様々な角度から、深く読み解くための多機能さという点では、現時点ではNotebookLMの方が一歩リードしている印象です。
では、Copilotの真価はどこに?― Microsoft 365との「親和性」

単体の機能比較では差が見られる一方で、Copilotの「ノートブック」には、NotebookLMにはない、ビジネス活用における決定的な強みがあります。それが、Microsoft 365の各種アプリケーションとの、深くシームレスな親和性です。
NotebookLMは、分析したい資料をアップロードして使う「分析ツール」という位置づけです。一方で、Copilotのノートブックは、私たちが普段仕事をしているTeamsやSharePointの中に自ら入ってきて、そこにある資料を元に手伝いをしてくれる、まさに「アシスタント」のような存在と言えるでしょう。
- 事例1:SharePoint上の社内規定について
わざわざSharePointから規定ファイルをダウンロードしてアップロードする必要はありません。Copilotに直接「SharePointにある、最新の経費精算規定をノートブックで要約して。その後、出張費申請のポイントを3つ教えて」と指示するだけです。 - 事例2:Teams会議の議事録から、次のアクションへ
Teams会議の議事録(トランスクリプト)をノートブックで分析・要約させ、「この要約を元に、A社向けのフォローアップメールの草案をOutlookで作成して」と、アプリを横断した指示を出すことができます。 - 事例3:OneDriveのExcelデータから、プレゼン資料へ
OneDriveに保存された売上報告のExcelファイルをノートブックで分析させ、「この分析結果の要点を使って、月次報告用のPowerPointスライドを5枚構成で作成して」といった、データに基づいた資料作成が可能です。
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Copilotの「ノートブック」のような先進的な機能を使いこなすには、その土台となるMicrosoft 365の安定した運用が欠かせません。 しかし、「そもそもSharePointの権限設定が分からない」「Teamsの同期がエラーになる」といった日々のトラブル対応に追われていては、新しい活用の検討どころではありません。
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Copilot「ノートブック」機能に関するよくある質問(FAQ)
- QCopilotの「ノートブック」は、どのライセンスで使えますか?
- A
「ノートブック」機能は、追加の有料ライセンスである「Microsoft 365 Copilot」の契約に含まれています。通常のMicrosoft 365 Businessライセンスだけでは利用できません。
- Q「ノートブック」にアップロードしたファイルは、AIの学習に使われますか?
- A
いいえ、使われません。Microsoftは、法人向けCopilotで利用された顧客のデータ(プロンプトや応答、連携した社内データ)を、AIモデルのトレーニングに利用しないことを約束しています。情報は会社のMicrosoft 365テナント内で保護されます。
- Q音声概要の言語は選べますか?
- A
はい、複数の言語に対応しており、ソースドキュメントの言語に基づいて適切な言語で音声が生成されます。
- QCopilot Chatと「ノートブック」はどう使い分ければいいですか?
- A
Copilot Chatは、Web検索を含む、より広範で一時的な質問に適しています。「ノートブック」は、特定のドキュメント群を「ソース」として固定し、その範囲内で深く分析や対話を続けたい場合に最適です。
- QGoogleのNotebookLMを、Microsoft 365環境で安全に使う方法はありますか?
- A
NotebookLMに会社の機密情報を含むファイルをアップロードすることは、情報が組織の管理外に置かれるため、セキュリティポリシーによっては推奨されない場合があります。利用する際は、必ず自社のIT管理者に確認し、公開情報や機密性の低い情報に限定するのが安全です。
まとめ:単体ツールか、業務連携か。目的で選ぶのが正解

GoogleのNotebookLMと、Microsoft 365 Copilotの「ノートブック」。両者は似ているようで、その思想は大きく異なります。
- NotebookLM:
資料の読解や学習を、単体で深く、多角的に行いたい場合に非常に強力なツール。 - Copilot「ノートブック」:
社内の既存データと連携し、日々の業務プロセスの中で、アプリを横断しながら効率化を図りたい場合に真価を発揮するツール。
Microsoft 365を業務基盤としている企業にとっては、Copilotの持つ「親和性」こそが、単なる機能差を上回る、最も大きな価値となるでしょう。
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