「Microsoft FormsからTeamsに自動通知するフローを作ったのに、ある日から突然動かなくなった…」 「Power Automateの実行履歴を見たら、『接続が無効です』というエラーで失敗している…」
Power Automateで業務の自動化を設定した多くの担当者が、このような「突然のフロー停止」に直面し、頭を悩ませた経験があるのではないでしょうか。
原因がわからず慌ててしまいがちですが、ご安心ください。このエラーの原因は、ほとんどの場合非常にシンプルです。
この記事では、「接続が無効です」エラーが発生する最大の原因と、それを解決するための具体的な手順を分かりやすく解説します。
なぜ接続が切れる?最大の原因は「パスワード変更」

Power Automateのフローが突然動かなくなり、「接続が無効です」というエラーが出た場合、その最大の原因は、あなたの「Microsoft 365アカウントのパスワードを変更したこと」にあります。
Power Automateは、TeamsやSharePoint、Outlookといった他のサービスと連携する際、「接続」という仕組みを使っています。この「接続」は、フローを最初に作成した時に、あなたのIDとパスワードを使って「サインイン」を行い、サービス間の連携を許可したものです。
しかし、会社のセキュリティポリシーなどで、定期的にMicrosoft 365のパスワードを変更すると、Power Automateが記憶している「接続」のパスワードは古いままになってしまいます。
そのため、いざフローを実行しようとしても、古いパスワードでは認証が通らず、「接続が無効です(=サインインに失敗しました)」というエラーになってしまうのです。
【対処法】無効になった接続を、手動で「修復」する手順

この問題を解決するには、Power Automateに「パスワードが変わりましたよ」と教え、新しいパスワードで再認証(修復)してあげる必要があります。
- Power Automate のホーム画面を開きます。
- 左側のメニューから、「データ」>「接続」をクリックします。
- あなたが作成した接続の一覧が表示されます。エラーが起きている接続(例:Teams, Outlook, SharePointなど)には、状態欄に「接続が無効です」という赤文字のエラーが表示されています。
- 対象の接続の「・・・」(その他のコマンド)をクリックし、「接続の修復」を選択します。(または、エラーメッセージ内の「接続の修復」リンクをクリックします)
- サインイン画面が表示されるので、新しく変更したパスワードを入力して、再度サインインを行います。
- 状態が「接続済み」に戻れば、修復は完了です。
これで、止まっていたフローも、次の実行タイミングから正常に動作するようになります。
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今回の「接続切れ」のように、Microsoft 365は便利な反面、サービス間の連携が原因で、予期せぬトラブルが発生しやすいという特徴があります。「パスワードを変えたら、自動化フローが止まった」というのは、その典型例です。
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Power Automateの接続に関するよくある質問(FAQ)
- Qフローがエラーになったら、必ず通知が来ますか?
- A
いいえ、フローが失敗しても、既定では通知は来ません。 自分で実行履歴を見に行かないと、エラーに気づかないことが多いため、注意が必要です。対策として、フローの最後に「失敗した場合に自分に通知する」アクションを追加しておくことをお勧めします。
- Qパスワードを変更するたびに、毎回この「接続の修復」が必要ですか?
- A
はい、残念ながら基本的には毎回必要になります。これが非常に手間であるため、根本的な対策として、組織のセキュリティポリシーを見直し、パスワードの「定期変更」を不要にする代わりに、「多要素認証(MFA)」でセキュリティを担保する、という最新の考え方に移行することも検討の価値があります。
- Q自分のフローだけでなく、他の人が作ったフローが止まることもありますか?
- A
はい、あります。例えば、IT担当者が「サービスアカウント」(例:
it-bot@company.comのような共用アカウント)で全社共通のフローを作成している場合、そのサービスアカウントのパスワードが変更されると、全社的な自動化プロセスが停止する重大なリスクがあります。サービスアカウントのパスワード管理は、特に厳重に行う必要があります。
- Q「接続の修復」を試みても、うまくいきません。
- A
一度、対象の接続を「・・・」メニューから「削除」してみてください。その後、エラーが出ているフローの編集画面を開き、該当のアクションで新しい接続をゼロから作成し直すことで、問題が解決する場合があります。
- Q接続エラーを防ぐ、根本的な方法はありますか?
- A
はい、あります。より高度な方法として、Power Automateの「サービスプリンシパル」という機能を使って、個人のパスワードに依存しない、アプリケーション専用の接続(認証)を作成する方法があります。ただし、これにはEntra ID(旧Azure AD)の管理者権限と専門知識が必要です。
まとめ:パスワード変更時は「Power Automateの接続確認」もセットで

Power Automateで「接続が無効です」というエラーに遭遇したら、まずは「直近でパスワードを変更しなかったか?」と思い出してください。9割以上のケースで、それが原因です。
慌てず、左側メニューの「接続」から、新しいパスワードで再認証(修復)を行う。この手順を知っておくだけで、突然のトラブルにも冷静に対処できます。 パスワードを変更した際には、「Power Automateの接続も確認する」ことを、ぜひセットの作業として覚えておきましょう。
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