• Exchange Onlineで SMTP AUTH が廃止されるというニュースを見た
  • 複合機や社内システムからのメール送信が止まってしまうの?

Microsoft 365(Exchange Online)を利用中の企業様から、このような不安の声をいただくことが増えています。

確かにMicrosoftはセキュリティ強化のため、古い認証方式の廃止を進めていますが、「SMTPでのメール送信ができなくなる」というのは誤解です。

結論から申し上げますと、廃止の対象となっているのは「基本認証(Basic Authentication)」での接続であり、新しい「先進認証(Modern Authentication)」を使ったSMTP送信は引き続き利用可能です。

今回は、情報の混乱を整理し、何が使えなくなり、どう対策すればよいのかをわかりやすく解説します。


そもそも「基本認証」と「先進認証」とは?

今回の話を理解するには、この2つの違いを知っておく必要があります。

1. 基本認証(Basic Authentication)→ 今回廃止の対象

  • 仕組み:
    IDとパスワードだけを毎回送信してログインする方法。
  • リスク:
    通信を傍受されるとパスワードがそのまま漏れるため、現代のセキュリティ基準では「危険」とされています。
  • 現状:
    Microsoftは、この方式をExchange Onlineから完全に排除しようとしています。

2. 先進認証(Modern Authentication)→ 今後も利用可能

  • 仕組み:
    OAuth 2.0(オーアース)などの技術を使い、パスワードではなく「トークン(許可証)」を使ってログインする方法。多要素認証(MFA)にも対応しています。
  • 安全性:
    非常に高く、現在の標準的な接続方式です。

SMTP AUTH 廃止で何が変わるのか?誤解と事実

「SMTP AUTH 廃止」という言葉が独り歩きしていますが、正確には以下の通りです。

× 誤解:「SMTPでのメール送信機能自体がなくなる」

いいえ、なくなりません。

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)は、電子メールを送るための世界標準のプロトコルであり、Exchange Onlineでも主要な機能として提供され続けます。

〇 事実:「IDとパスワードだけのSMTP接続(基本認証)が塞がれる」

Microsoftは、セキュリティリスクの高い「基本認証」を無効化しています。

つまり、「プログラムや機器の設定で、単にIDとパスワードを書いただけの古いやり方」は通用しなくなります(または、すでに既定で無効化されています)。

一方で、「先進認証(OAuth 2.0)」に対応したSMTP AUTH接続は、今後も問題なくサポートされます。


SMTP AUTH 廃止に向けて 3つの対策パターン

お使いのシステムや機器(複合機など)がどうやってメールを送っているかによって、対策が異なります。

パターン1:システム・アプリが「先進認証」に対応している場合

→ 設定を変更するだけでOK

使用しているメールソフトや社内システムが「OAuth 2.0」に対応している場合は、設定を「基本認証(Basic)」から「先進認証(OAuth)」に切り替えてください。

これだけで解決し、セキュリティも向上します。

パターン2:複合機などの古い機器(先進認証に非対応)の場合

→ 「Microsoft 365 SMTP リレー」などを検討

古い複合機(スキャンデータのメール送信)などは、先進認証に対応していないケースがほとんどです。

この場合、以下のいずれかの代替案を検討します。

  1. Direct Send(直接送信): Microsoft 365のアカウント認証を通さずに送る方法。
  2. SMTPリレー: 固定グローバルIPアドレスを使って認証する方法。
  3. High Volume Email (HVE): 大量送信向けに新しくプレビュー公開されている機能(※現在はプレビュー段階)。

パターン3:どうしても「基本認証」が必要な場合

→ 一時的に有効化する(非推奨)

実は現在でも、テナント全体や特定のユーザーに対して、例外的に「SMTP AUTHの基本認証」を再度有効化(ON)にする設定は残されています。

ただし、これはあくまで救済措置であり、セキュリティリスクが高まるため、Microsoftは推奨していません。

可能な限り早めに他の方式へ移行しましょう。


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よくある質問(FAQ)

Q
私の環境でSMTP AUTHが有効か無効か確認できますか?
A

はい、PowerShellで確認できます。

Exchange Online PowerShellに接続し、Get-TransportConfig コマンドなどを実行することで、組織全体の設定を確認できます。

また、Microsoft 365 管理センターの「ユーザー」設定からも、個別のSMTP AUTH有効/無効を確認可能です。

Q
先進認証に対応したSMTP送信は無料ですか?
A

はい、ライセンスの範囲内です。

Exchange Onlineのライセンスをお持ちであれば、追加費用なしで利用できます。

ただし、1日あたりの送信数制限(10,000通など)は通常のメールと同様に適用されます。

Q
今動いているプログラムを改修する必要がありますか?
A

基本認証で接続しているなら必須です。

JavaやC#などで自社開発したプログラムが、IDとパスワードだけでSMTP接続している場合、そのままではいずれ送信できなくなります。

OAuth 2.0のフローを実装するようにコードを改修する必要があります。

まとめ

「Exchange Online SMTP AUTH 廃止」は、「基本認証(ID/PASSのみ)の廃止」です。

  • 先進認証(OAuth 2.0)でのSMTP接続は今後も使えます。
  • 古い機器を使っている場合は、SMTPリレーなどの代替手段が必要です。

慌てずに現状の接続方式を確認し、セキュリティの高い「先進認証」への移行を進めていきましょう。

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