• 『メールボックスの容量がいっぱいです』という警告が出て、メールが送受信できなくなった!
  • 昔のメールをパソコンの中に保存(PSTファイル)しているけど、動作が重いしバックアップも不安……

業務でOutlookを使っていると、いつの間にか溜まってしまう大量のメールデータ。

削除したくはないけれど、メインのメールボックス(受信トレイ)には入り切らない……
そんな時に活躍するのが、Microsoft 365(Exchange Online)の機能である「インプレース アーカイブ(In-Place Archive)」です。

これは一言で言えば、クラウド上に用意された「大容量の別館倉庫」のようなもの。

今回は、インプレースアーカイブの仕組みや、Outlookにある「アーカイブ」ボタンとの違い、そして利用するメリットについて解説します。


インプレース アーカイブとは?(オンライン アーカイブ)

インプレース アーカイブとは、メインのメールボックスとは別に割り当てられる、長期保存専用の追加メールボックス領域のことです。

Outlook上では、自分のメールアドレスの下の方に「オンライン アーカイブ」や「インプレース アーカイブ」という名前で、別のフォルダツリーとして表示されます。

イメージで理解する

  • メインのメールボックス(受信トレイなど):「会社の自分のデスク」です。
    今すぐ使う書類(メール)を置きますが、スペースには限りがあります(通常50GBまたは100GB)。
  • インプレース アーカイブ:「地下にある巨大倉庫」です。
    普段使わないけれど捨てられない書類を移動させます。デスクとは別の場所ですが、鍵(アカウント)があればいつでも見に行けます。

導入する3つのメリット

なぜ、単にフォルダを分けるのではなく、インプレースアーカイブを使う必要があるのでしょうか?

1. メールボックスの容量を実質「拡張」できる

これが最大のメリットです。

例えば、Microsoft 365 Business Standard(Exchange Online Plan 1)の場合、メインの容量は50GBですが、インプレースアーカイブを有効にすると、追加で50GBの保存領域がもらえます。

上位プラン(Plan 2)であれば、最大1.5TBまで自動拡張される機能もあり、容量不足の悩みから完全に解放されます。

2. パソコンの動作が軽くなる

昔ながらの方法として、古いメールをパソコン内のファイル(PSTファイル)に保存している方も多いでしょう。

しかし、これはPCの容量を圧迫し、Outlookの動作を重くする原因になります。

インプレースアーカイブはすべてクラウド(サーバー上)にあるため、PCのストレージを消費せず、Outlookもサクサク動きます。

3. どのPCからでも見られる

パソコン内に保存したメール(PST)は、そのパソコンでしか見られません。

しかし、インプレースアーカイブはクラウド上にあるため、会社のPCでも、自宅のノートPCでも、ブラウザ版(Web版Outlook)でも、ネットさえ繋がっていればどこからでも過去のメールを確認できます。


注意!「アーカイブ」ボタンとは別物です

ここが最も勘違いしやすいポイントです。

Outlookのりぼんメニューにある「アーカイブ」ボタン(段ボール箱のアイコン)と、今回の「インプレース アーカイブ」は、機能が全く異なります。

機能名アーカイブ(ボタン)インプレース アーカイブ
データの場所メインのメールボックス内
(「アーカイブ」という名前のフォルダに移動するだけ)
別領域のメールボックス
(サーバー上の別の保管庫へ移動)
容量の節約ならない
(同じ箱の中で場所を変えただけ)
なる
(別の箱へ移動するため)
目的受信トレイの整理整頓長期保管・容量確保

「容量を空けるためにアーカイブボタンを押しました!」という方がいますが、これでは容量は減りません。

容量を空けるには、インプレースアーカイブへ移動させる必要があります。


使い方は「手動」か「自動」か

インプレースアーカイブを利用するには、Microsoft 365 管理センターでの有効化設定(管理者作業)が必要です。

有効化された後は、以下の方法でメールを保存できます。

方法1:手動でドラッグ&ドロップ

Outlook画面で、受信トレイにある古いメールを、左側に表示された「オンライン アーカイブ」内のフォルダへドラッグ&ドロップします。

方法2:ポリシーで自動移動(おすすめ)

「2年経過したメールは自動的にアーカイブへ移動する」といった「保持ポリシー(MRMポリシー)」を管理者が設定できます。

これを適用すれば、ユーザーが意識しなくても、古いメールから順に自動で倉庫へ送られるため、メインの受信トレイは常にスッキリした状態を保てます。


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  • インプレースアーカイブが表示されない!
  • 自動移動のポリシーが反映されるまで時間がかかるのはなぜ?

Exchange Onlineの仕様は奥が深く、即座に反映されない設定も多いため、管理者様を悩ませがちです。

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よくある質問(FAQ)

Q
スマホのOutlookアプリでも見れますか?
A

基本的には見れません(制限があります)。
iOSやAndroidの標準Outlookアプリでは、インプレースアーカイブフォルダが表示されない仕様が一般的です。
スマホから確認したい場合は、ブラウザ(ChromeやSafari)でWeb版Outlookにアクセスする必要があります。

Q
検索はできますか?
A

はい、可能です。
Outlookで検索する際、検索範囲を「すべてのメールボックス」にすれば、メインの受信トレイとインプレースアーカイブの両方を横断して検索できます。

Q
オフライン(ネットがない環境)でも見れますか?
A

いいえ、見れません。
インプレースアーカイブは、都度サーバーに見に行く仕組み(オンラインモード)で動作するため、インターネット接続が必須です。飛行機の中などで過去メールを見たい場合は注意が必要です。

まとめ

インプレース アーカイブとは、「クラウド上にある第2のメールボックス」です。

  • 容量不足の解消
  • PC動作の軽量化
  • 安全なバックアップ

これらを同時に実現する強力な機能です。

まだ使っていない(PSTファイルで管理している)企業様は、ぜひ導入を検討してみてください。

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