「毎朝、Outlookを起動するのに数分待たされる…」 「アイコンをクリックしても、なかなか立ち上がらず、業務が始まらない」 「メールを見たいだけなのに、ストレスが溜まる…」

日々の業務に不可欠なOutlook。その起動が遅いoutlook 起動が遅い)だけで、仕事のリズムは大きく崩れてしまいます。PC全体の動作は問題ないのに、なぜかOutlookだけが遅い、と感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、Outlookの立ち上がりが遅いoutlook 立ち上がりが遅い)場合に考えられる主な原因と、IT担当者の方が今すぐ試せる具体的な対処法を、優先順位の高い順に5つご紹介します。

なぜOutlookの起動は遅くなる?主な3つの原因

まず、なぜOutlookの起動が遅くなるのか、代表的な原因を整理しましょう。

  1. 「アドイン」が邪魔をしている:
    Outlookには、機能拡張のために様々な「アドイン」(例:Web会議ツール連携、セキュリティソフトなど)が追加されています。これらの一部が、Outlookの起動を妨げているケースが非常に多いです。
  2. メールデータファイル(プロファイル)の肥大化・破損:
    長年メールを蓄積してきた結果、メールデータを保存しているファイル(OSTファイルやPSTファイル)が数十GB単位にまで肥大化したり、ファイル自体が論理的に破損したりして、読み込みに時間がかかっているケースです。
  3. Outlookアプリ(Office)自体の不具合:
    Outlookのプログラムファイル自体が、何らかの原因で破損してしまっているケースです。

【ステップ1】まずは「セーフモード」で原因を切り分ける

対処法を試す前に、まずは「セーフモード」で起動し、原因がどこにあるのかを切り分けましょう。セーフモードとは、Outlookを起動するための最低限の機能(特にアドインをすべて無効化した状態)で起動する方法です。

【手順】

  1. Windowsキー + Rキー を同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを開きます。
  2. 名前の欄に outlook.exe /safe と入力し、「OK」をクリックします。
  3. (プロファイルの選択画面が出たら、そのまま「OK」を押します)

【結果の切り分け】

  • セーフモードで 速く 起動した場合:
    原因は「アドイン」である可能性が濃厚です。次の「対処法1」に進んでください。
  • セーフモードでも 遅い 場合:
    原因は「データファイル」や「アプリ本体」にある可能性が高いです。「対処法2」以降に進んでください。

Outlookの起動が遅い時に試す5つの対処法

対処法1:不要なアドインを無効にする(セーフモードで速くなった場合)

  1. Outlookを(通常モードで)起動します。
  2. 「ファイル」>「オプション」>「アドイン」と進みます。
  3. 画面下部の「管理:」が「COM アドイン」になっていることを確認し、「設定」ボタンをクリックします。
  4. 現在有効になっているアドインの一覧が表示されます。明らかに使っていないものや、動作が怪しいと思われるもののチェックを外し、「OK」をクリックします。
  5. Outlookを再起動し、起動が速くなったか確認します。(一つずつチェックを外して確認するのが確実です)

対処法2:Outlookデータファイル(OST/PST)を修復する

長年の利用でデータファイルが破損している場合、修復することで改善する可能性があります。

  1. Outlookを完全に終了します。
  2. 「受信トレイ修復ツール (SCANPST.EXE)」を実行します。(※このツールの場所はOfficeのバージョンによって異なります。PC内で「SCANPST.EXE」を検索するのが早いです)
  3. 修復ツールが起動したら、参照ボタンからOutlookのデータファイル(.ostまたは.pst)を選択し、「開始」をクリックします。
  4. エラーが見つかれば、修復を実行します。

対処法3:Officeアプリケーションを「修復」する

Outlookのプログラム自体が破損している可能性を疑い、Office全体の修復を試みます。

  1. Windowsの「設定」>「アプリ」>「インストールされているアプリ」を開きます。
  2. 一覧から「Microsoft 365 Apps」(またはお使いのOffice製品)を探し、「・・・」>「変更」をクリックします。
  3. 「クイック修復」または「オンライン修復」を選択して実行します。(まずは「クイック修復」から試すことをお勧めします)

対処法4:Outlookのプロファイルを「修復」する

メールアカウントの設定情報(プロファイル)が破損しているケースです。

  1. Windowsの「コントロールパネル」を開きます。(検索窓で「control」と入力)
  2. 「Mail (Microsoft Outlook)」または「メール」を探してクリックします。
  3. 「メール設定」ウィンドウで、「プロファイルの表示」をクリックします。
  4. 使用中のプロファイルを選択し、「プロパティ」>「電子メールアカウント」をクリックします。
  5. 「修復」タブで、対象のアカウントを選択し、「修復」を実行します。

対処法5:新しいOutlookプロファイルを作成する

上記すべてを試しても改善しない場合の、最終手段に近い方法です。現在のアカウント設定を一旦破棄し、まっさらな状態で再設定します。

  1. 対処法4と同様に「メール設定」ウィンドウで、「プロファイルの表示」をクリックします。
  2. 「追加」ボタンを押し、新しいプロファイル名(例:new_profile)を入力します。
  3. 画面の指示に従い、Microsoft 365のアカウント(メールアドレスとパスワード)を再設定します。
  4. 設定完了後、「常に使用するプロファイル」を、今作成した新しいプロファイルに変更し、「OK」をクリックします。
  5. Outlookを起動し、起動速度が改善したか確認します。

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Outlookの起動が遅い問題に関するよくある質問(FAQ)

Q
セーフモードでも起動が遅い、または起動すらしません。
A

アドイン以外の、データファイル(OST/PST)やアプリ本体、プロファイルの破損が強く疑われます。対処法2〜5を順番に試してみてください。

Q
新しいプロファイルを作成すると、今までのメールは消えてしまいますか?
A

Microsoft 365(Exchange Online)をご利用の場合、メールや予定表はすべてクラウド(サーバー)上にあるため、新しいプロファイルを作成してもデータは消えません。PCに再度同期されるだけです。 (※POP接続や、個人用のPSTファイルにメールを保存している場合は、別途バックアップが必要です)

Q
PCを買い替えたら速くなりますか?
A

PCのスペック(特にメモリやSSDの速度)が古い場合は、買い替えることで起動が速くなる可能性は高いです。しかし、原因がアドインやプロファイルの破損にある場合は、PCを買い替えても問題が再発する可能性もあります。

Q
「新しいOutlook」に切り替えると速くなりますか?
A

Windowsの標準メールアプリをベースにした「新しいOutlook」は、従来のOutlook(デスクトップアプリ)とは異なり、より軽快に動作するように設計されています。起動速度の改善が期待できますが、一部の機能(COMアドインのサポートなど)が制限されるため、業務に必要な機能が揃っているか確認が必要です。

Q
何を試してもダメな場合は、どうすればいいですか?
A

Microsoft 365のライセンスが紐づくOfficeアプリの完全なアンインストールと再インストールが最後の手段となります。それでも解決しない場合は、PCのOS自体に問題がある可能性も考えられます。

まとめ:「切り分け」こそが、トラブル解決の近道

「Outlookの立ち上がりが遅い」という一つの現象にも、様々な原因が考えられます。重要なのは、今回ご紹介した「セーフモード」での起動のように、まずは原因を切り分けることです。

これらの対処法を試しても改善しない場合、あるいは、トラブルシューティングにこれ以上時間を割けない場合は、専門のサポートパートナーに相談するのも賢明な判断と言えるでしょう。

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