「OneDriveでファイルを共有したいけど、どの設定が一番安全なの?」 「『リンクを知っているすべてのユーザー』って、誰でも見られるようで不安…」 「間違った相手に共有してしまったかも…後から権限を取り消せる?」

場所を選ばずにファイルへアクセスできるOneDriveは非常に便利ですが、その手軽さゆえに、アクセス権の設定を誤ると、意図しない情報漏洩につながるリスクもはらんでいます。

この記事では、OneDriveのファイル共有における「アクセス権」の基本から、目的に応じた適切な設定方法、セキュリティを高めるための応用テクニックまで、分かりやすく解説します。

OneDrive共有の基本操作:共有リンクの作成方法

まず、共有リンクを作成する基本的な流れです。

ブラウザの場合

OneDrive上で、共有したいファイルまたはフォルダを選択します。

画面上部のメニューに表示される「共有」アイコンをクリックします。

歯車マークをクリックします。

エクスプローラの場合

エクスプローラ上で、共有したいファイルまたはフォルダを右クリックします。

上部に表示される「共有」アイコンをクリックします。

歯車マークをクリックします。

この後、どのような権限で共有するかを設定する画面が表示されます。ここでの選択が、セキュリティを確保する上で最も重要なポイントとなります。

【最重要】4種類の共有リンクとアクセス許可の使い分け

共有設定画面を開くと、主に4種類の共有範囲(リンクの種類)を選択できます。それぞれの特徴を理解し、共有する相手とファイルの内容に応じて、適切に使い分けましょう。

選択したユーザー

  • 特徴:
    最も安全で、推奨される共有方法です。指定したメールアドレスの相手しかアクセスできず、相手は本人であることを認証(サインインなど)する必要があります。
  • 最適な用途:
    契約書、見積書、個人情報を含むファイルなど、機密性の高い情報の共有。

組織内のユーザー

  • 特徴:
    あなたの会社(Microsoft 365テナント)に所属しているすべてのユーザーが、リンクを知っていればアクセスできます。
  • 最適な用途:
    社内規程や全社向けのお知らせなど、社内全体に公開しても問題ない情報の共有。

既存のアクセス権を持つユーザー

  • 特徴:
    新しくアクセス権を付与するのではなく、既にそのファイルへのアクセス権を持っている人に対して、ファイルの場所を知らせるためだけのリンクです。
  • 最適な用途:
    SharePointサイトのメンバーなど、元々ファイルを見られる人に「このファイルです」とダイレクトリンクを送る場合。

すべてのユーザー(リンクを知っているすべてのユーザー)

  • 特徴:
    最も手軽ですが、最もセキュリティリスクが高い共有方法です。リンクを知っていれば、社内外を問わず誰でもファイルにアクセスできてしまいます。
  • 最適な用途:
    ホームページの公開資料や、不特定多数に配布するチラシのデータなど、機密性が全くない情報の共有。利用する際は、後述の追加設定が必須です。

セキュリティをさらに強化する追加設定

リンクの種類を選んだ後、「その他の設定」を用いてさらに細かい権限設定が可能です。

  • 編集を許可 / 閲覧のみ:
    「ペンのアイコン」をクリックし、「編集可能」か「表示可能」かを選択します。相手に編集してもらう必要がなければ、必ず「表示可能」に設定しましょう。
  • 有効期限を設定:
    特に「すべてのユーザー」で共有する場合、リンクが永久に有効だと危険です。必ず有効期限を設定し、不要になったらアクセスできないようにしましょう。
  • パスワードを設定:
    リンクを知っていても、設定したパスワードを知らないと開けないようにできます。
  • ダウンロードを禁止:
    「表示可能」に設定した上で、この設定をオンにすると、相手はブラウザ上での閲覧しかできなくなり、ファイルのダウンロード(ローカルコピー)を防げます。

そのファイル共有、本当に安全ですか?

OneDriveのアクセス権を正しく設定することは、情報漏洩を防ぐための重要な第一歩です。しかし、Microsoft 365のセキュリティ設定は、OneDriveの共有設定だけではありません。

「Outlookの転送禁止ルールはどう設定する?」 「Teamsに外部ユーザーを招待したけど、アクセスできる範囲は適切だろうか?」

こうした無数の設定項目を、担当者一人がすべて把握し、管理するのは非常に困難です。一つでも設定を間違えれば、それが大きなセキュリティホールになりかねません。

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OneDriveのアクセス権に関するよくある質問(FAQ)

Q
共有した相手が「アクセスできません」と言っています。なぜですか?
A

「特定のユーザー」で共有した場合、相手が招待されたメールアドレスとは別のアカウントでサインインしようとしている可能性があります。正しいアカウントでサインインするよう伝えてみてください。また、相手の会社のセキュリティポリシーで、外部からの共有リンクがブロックされているケースもあります。

Q
ファイルの共有を後から停止するにはどうすればいいですか?
A

OneDriveで対象のファイルを選択し、「・・・」(アクションの表示)から「アクセス許可の管理」を開きます。そこで既存の共有リンクを削除したり、特定ユーザーのアクセス権を停止したりすることができます。

Q
フォルダを共有すると、中のファイルもすべて同じ権限になりますか?
A

はい、なります。フォルダに設定したアクセス権は、その中にあるすべてのファイルとサブフォルダに自動的に引き継がれます(継承)。

Q
SharePointの共有とOneDriveの共有は何が違いますか?
A

OneDriveは、基本的には「個人」が管理するファイルを保存・共有する場所です(例:自分の作業ファイル)。一方、SharePointは、「チームや組織」でファイルを管理・共有する場所です(例:部署の共有フォルダ)。共有の仕組みは同じですが、ファイルの所有と管理の考え方が異なります。

Q
誰がファイルにアクセスしたか、後から確認できますか?
A

はい、一部可能です。ファイルを選択し、「・・・」から「詳細」を開くと、最近のアクティビティで「(ユーザー名)が閲覧しました」といった履歴が表示されます。より詳細な監査ログは、管理者向けの機能となります。

まとめ:「誰に」「何を」「どこまで」許可するかを常に意識する

今回は、OneDriveのアクセス権について、その種類と設定方法を解説しました。 安全なファイル共有の鍵は、「共有する相手(誰に)」「ファイルの内容(何を)」「与える権限(どこまで)」の3点を常に意識し、それに合った最適な共有設定を選択することです。

特に、最もセキュリティの高い「特定のユーザー」での共有を基本とし、「すべてのユーザー」での共有は慎重に扱うことを習慣づけましょう。

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