「今はタイミングが悪いと断られてしまった…」 「『前向きに検討します』と言われたきり、連絡が途絶えてしまった…」

営業活動において、提案したすべての案件がすぐに受注に繋がるわけではありません。しかし、一度断られた、あるいは連絡が途絶えたからといって、その見込み客を諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。

顧客の状況は常に変化します。今は「不要」でも、3ヶ月後には「必要」に変わるかもしれません。その「未来のチャンス」を掴むために重要なのが、見込み客を育成(ナーチャリング)するという考え方です。

とはいえ、しつこい営業だとは思われたくないもの。この記事では、MicrosoftのAI「Copilot Chat」を活用し、相手に価値を提供しながら自然な形で関係を維持する「ステップフォローメール」のシナリオを作成する、具体的な方法をご紹介します。

「しつこい」と思われない、効果的なフォローアップの考え方

見込み客の育成で最も重要なのは、「どうですか?」と催促するのではなく、「相手にとって有益な情報を提供する」という姿勢です。この「GIVE」の精神をベースに、Copilot Chatを使って以下のような3ステップのシナリオを作成してみましょう。

  1. 御礼と要約(商談直後): 記憶が新しいうちに、感謝と話した内容の要約を送る。
  2. お役立ち情報の提供(1〜2週間後): 相手の課題解決に繋がる、有益な情報を送る。
  3. 近況伺いと再接触(1ヶ月後〜): 相手を気遣い、状況の変化を伺う。

Copilot Chat へのアクセス方法

以下いずれかの方法でアクセスすることができます。

  • ブラウザからhttps://m365.cloud.microsoft/chat/ヘアクセス
  • Microsoft Edge へMicrosoft 365 アカウントでサインインし、右上のCopilot アイコンをクリック
  • Teams アプリ左メニューから「Copilot」をクリック

【コピペOK】Copilot Chatで作成する「3ステップフォローメール」シナリオ

Copilot Chatに、以下のプロンプト(指示文)を投げかけてみましょう。[ ]の中を、あなたの状況に合わせて書き換えるだけで、質の高いメールのたたき台が完成します。

ステップ1:1通目「面談直後の御礼と要約」メール

プロンプト例

あなたは、当社の優秀な営業担当です。 先ほど商談が終わった[企業名]の[担当者名]様宛に、丁寧なフォローメールを作成してください。

#含めるべき要素
・時間をいただいたことへの感謝
・[商談で議論した重要なポイント]の簡単な要約
・[商談で決まった次のアクションや宿題]の確認 ・今後のご検討をサポートする姿勢

実際に作成されたメールはこちら

ステップ2:2通目「お役立ち情報の提供」メール(1〜2週間後)

プロンプト例

1週間前に商談した[企業名]の[担当者名]様宛に、フォローメールを作成します。

#目的 売り込みではなく、相手のビジネスに役立つ情報を提供することで、当社の専門性を示し、信頼関係を築きたい。

#タスク [商談で聞いた相手の課題]に関連する、有益な情報を提供するという形で、自然なメールを作成してください。例えば、「[自社ブログのタイトル]という記事が、先日の課題解決のヒントになるかもしれません」といった切り口でお願いします。

実際に作成されたメールはこちら

ステップ3:3通目「近況伺いと再提案」メール(1ヶ月後〜)

プロンプト例

1ヶ月前に商談した[企業名]の[担当者名]様宛に、その後の状況を伺うための簡潔なフォローメールを作成してください。

#含めるべき要素 ・冒頭で、相手のビジネスや状況を気遣う一文 ・「その後、〇〇の件で何か変化はございましたでしょうか?」といった、ソフトな問いかけ ・もし何か困りごとがあれば、いつでも力になれる、というサポートの姿勢

実際に作成されたメールはこちら

お客様の育成はAIで。では「自社の新人」の育成は?

Copilot Chatを使えば、お客様との中長期的な関係を築くための、戦略的なコミュニケーションプランを効率的に作成できます。しかし、その戦略を実行する営業担当者自身の育成については、どうでしょうか。

「新人に、何から教えればいいか分からない」 「製品知識や社内ルールについて、同じ質問が何度も飛んでくる」

Teams AIチャットボトは、そんな社内の新人育成をサポートする、もう一つのAIです。製品情報や営業マニュアル、社内規定などを学習し、新人からの質問にTeams上で24時間365日回答します。新人は、先輩の手を止めることなく自己解決でき、マネージャーはより高度な営業戦略の指導に集中できます。

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Copilot Chatでのフォローメール作成に関するよくある質問(FAQ)

Q
AIが作ったメールを、そのまま送っても大丈夫ですか?
A

AIが生成するのは、あくまで質の高い「たたき台」です。前回の商談の雰囲気や、担当者との関係性に合わせて、ご自身の言葉で少しだけパーソナライズすることで、より気持ちが伝わるメールになります。

Q
フォローアップの間隔は、この通りでなくてもいいですか?
A

もちろんです。ここで紹介した「1週間後」「1ヶ月後」はあくまで一例です。相手の業界や役職、商談の熱量などに応じて、最適な間隔は変わります。Copilot Chatに「BtoB SaaS業界の場合、最適なフォローアップの間隔は?」といった質問を投げかけ、一般的なセオリーを参考にすることも有効です。

Q
もっと多くのステップ(5通など)のシナリオも作れますか?
A

はい、可能です。Copilot Chatとの対話で、「では、4通目として、導入事例を送るパターンのメールを作ってください」といったように、ステップを追加していくことで、より精緻なシナリオを構築できます。

Q
相手が開いてくれそうな件名は、どうやって作ればいいですか?
A

プロンプトの最後に、「思わず開封したくなるような、パーソナルで魅力的な件名を3つ提案してください」といった一文を付け加えるのがおすすめです。AIは、メールの件名を考えるのも得意です。

Q
Microsoft 365 Copilotなら、もっと良いフォローメールが作れますか?
A

はい、その可能性は高いです。有料版のMicrosoft 365 Copilotは、Web情報に加え、過去のメールのやり取りやTeamsの会議録といった社内データも安全に参照できます。そのため、「先日のTeams会議の議事録を要約して、フォローメールのたたき台を作って」といった、より文脈に即した、パーソナライズの精度が非常に高いメールを作成できます。

まとめ:AIを「戦略パートナー」に、未来の顧客を育てよう

見込み客の育成(リードナーチャリング)は、すぐに結果が出るものではありません。しかし、地道に関係を繋ぎ続けることで、数ヶ月後、数年後の大きな成果へと繋がります。

Copilot Chatは、その時間のかかるプロセスを効率化し、営業担当者がより多くのお客様と、より質の高い関係を築くための「戦略パートナー」です。AIとの二人三脚で、諦めかけていた見込み客を、未来の優良顧客へと育てていきましょう。

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AIを活用した高度な営業戦略を実践するためにも、まずは日々の業務で使うツールの安定稼働が欠かせません。しかし、Outlookのメールが突然送れなくなったり、SharePointのファイルが消えてしまったりと、予期せぬトラブルはつきものです。

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