立派な社内ポータルサイトを立ち上げたのに、数週間後には誰も見ていない…。お知らせは更新されず、ファイルは古いまま。そんな「社内ポータルの形骸化」に、頭を悩ませてはいませんか?

多くの担当者が直面するこの課題の本質は、SharePointというツールの問題ではありません。それは、コンテンツ(中身)の問題です。社内ポータルは、街角のコンビニエンスストアのようなもの。どれだけ立派な建物でも、棚に並ぶ商品が魅力的でなければ、誰も足を運んではくれません。

この記事では、社員が「今日の仕事も、まずはポータルから」と、自然にアクセスしたくなるような、SharePointで作れる具体的なコンテンツのアイデアを5つの切り口でご紹介します。

なぜ、社内ポータルは“使われない”のか?

アイデアをご紹介する前に、なぜ多くのポータルが使われなくなってしまうのか、その主な原因を整理してみましょう。

  • 自分に関係ない情報ばかり:
    経営層からの一方的なお知らせばかりで、自分の業務に直接役立つ情報がない。
  • 情報が古い、更新が止まっている:
    いつ見ても同じ情報しか載っておらず、「ここを見ても意味がない」と学習されてしまう。
  • 業務に直結しない:
    ポータルを見なくても、日々の仕事が何となく進んでしまうため、アクセスする動機が生まれない。

これらの課題を解決する鍵は、ポータルを「業務に不可欠」で「見て楽しい」場所に変えるコンテンツにあります。

社員が毎日アクセスしたくなる!SharePointポータルのコンテンツアイデア5選

アイデア1:「今日の仕事は、まずここから」業務直結コンテンツ

ポータルを、社員の一日の「始点」となる場所に位置づけるためのコンテンツです。

  • 今日のタスク確認:
    Microsoft ListsやPlannerのWebパーツを使い、部署や個人のタスク一覧を表示。
  • 各種業務システムへの入り口:
    勤怠管理、経費精算、営業支援システムなど、日常的に使うツールへのリンクを「クイックリンク」Webパーツで分かりやすく配置。
  • 日報・週報の提出フォーム:
    Microsoft Formsで作成した報告フォームを埋め込み、報告業務をポータル上で完結させる。

アイデア2:「あの人、誰だっけ?」を解決する社員紹介コンテンツ

特にリモートワークやハイブリッドワークが中心の組織では、社員同士の繋がりを育むコンテンツが重要になります。

  • 新入社員紹介:
    「ニュース」機能を活用し、新入社員の自己紹介を写真付きで掲載。コメント機能で歓迎のメッセージを送り合えるようにする。
  • 「私のプチ自慢」リレー:
    社員が持ち回りで、趣味やペット、好きなランチのお店などを紹介するコーナー。人柄が見えることで、コミュニケーションのきっかけが生まれます。

アイデア3:「知って得する」お役立ちコンテンツ

業務に直接役立つ、実践的なノウハウや情報を共有するコンテンツです。

  • Excel・Teamsの小ワザ集:
    IT担当者が、社内からよく寄せられる質問への回答を、短い記事や動画でまとめておく。
  • 提案書・企画書のテンプレート集:
    営業部や企画部が作成した、質の高いドキュメントのテンプレートを保管・共有する場所。

アイデア4:「会社の『今』がわかる」更新頻度の高いコンテンツ

社員に「今日もポータルをチェックしよう」と思わせる、鮮度の高い情報発信です。

  • 週次での部署持ち回りコラム:
    各部署が週替わりで、今週のトピックやプロジェクトの進捗などを発信する。
  • Viva Engage (旧Yammer) の埋め込み:
    社内のSNSであるViva Engageの会話をWebパーツで表示し、リアルタイムの盛り上がりを伝える。

アイデア5:「自分も参加したくなる」参加型コンテンツ

社員を単なる情報の受け手から、ポータル作りの当事者へと変えるための仕掛けです。

  • 簡易アンケート:
    Microsoft Formsを使い、「次の社内イベント、何がしたい?」といった簡単なアンケートを実施。
  • フォトコンテスト:
    夏休みの思い出や、オフィスの風景などをテーマに、写真を募集・掲載する。
  • 改善提案ボックス:
    ポータルサイトや社内業務に関する改善案を、いつでも投稿できる目安箱を設置する。

SharePointポータルの企画・構築、専門家と一緒に進めませんか?

これらのコンテンツアイデアを参考にすれば、ポータルサイト活性化のヒントが見つかるかもしれません。 しかし、「このアイデアを、SharePointのどの機能を使って、どう表現すればいいのか?」「そもそも、自社に合ったコンテンツ戦略は何だろう?」といった企画・構築の段階で、専門的なサポートが必要になることもあります。

もし、社内ポータルの活性化や再設計について、専門家と相談しながら進めたいとお考えでしたら、ぜひ弊社のMicrosoft 365 導入支援サービスにご相談ください。

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社内ポータルのコンテンツに関するよくある質問(FAQ)

Q
コンテンツの更新は、誰が担当するのが良いでしょうか?
A

IT担当者が一人で全てを担うのは、形骸化の元です。理想は、サイト全体の管理はIT担当者が行い、「お知らせ」は総務部、「営業Tips」は営業部、というように、コンテンツの内容に最も詳しい部署が、直接情報を発信する分散管理モデルです。モダンなSharePointは、専門知識がなくても簡単に更新できます。

Q
経営層からのお知らせばかりで、現場が協力してくれません。
A

まずは、現場の社員にとって直接的なメリットがある「お役立ちコンテンツ」(アイデア3)や、気軽に参加できる「参加型コンテンツ」(アイデア5)から始めるのがお勧めです。「ポータルを見ると、仕事が少し楽になる・楽しくなる」という体験を積み重ねることで、少しずつ文化を醸成していきましょう。

Q
ポータルサイトへのアクセス数を増やす、簡単な方法はありますか?
A

すべての社内通知(例:Teamsやメールでの一斉連絡)に、「詳細はこちらのポータルサイトをご確認ください」といった形で、必ずポータルへのリンクを記載することをルール化するのが、簡単かつ非常に効果的です。

Q
デザインが少し古臭い感じがします。改善できますか?
A

はい、可能です。SharePointには、サイトのデザインテーマを簡単に変更する機能があります。また、Webパーツのレイアウトを変えたり、見栄えの良い写真やアイコンを使ったりするだけでも、サイトの印象は大きく変わります。

Q
ネタ切れが心配です。コンテンツを継続するコツはありますか?
A

一人で頑張らないことです。「部署持ち回りコラム」のように、コンテンツ作成を仕組み化・分散化することが最も重要です。また、「社員紹介」や「改善提案ボックス」のように、社員自身がコンテンツの主役になる企画は、ネタ切れの心配が少なく、エンゲージメントも高まるためお勧めです。

まとめ:「作ること」がゴールではない。ポータルは「育てる」もの

“使われない”社内ポータルにしないための鍵は、社員が「自分ごと」として捉えられる、魅力的で役に立つコンテンツを、継続的に発信し続けることにあります。

SharePointは、そのための素晴らしいキャンバスです。ぜひ、この記事を参考に、まずは一つの小さなコンテンツ企画から、社員に愛されるポータルサイト作りを始めてみてはいかがでしょうか。

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