「パスワード付きzipファイルをメールで送ります」 「(5分後)パスワードを、別メールでお送りします」
日本のビジネスシーンで長年「常識」とされてきた、このファイル共有方法、通称「PPAP」。あなたも日常的に行っていませんか?
しかし、このPPAPは、近年「セキュリティ上のリスクが非常に高い」として、政府機関や多くの企業で廃止の動きが急速に進んでいます。
「とはいえ、代替手段がない…」「新しいツールを導入する予算もない…」 もし、あなたの会社がMicrosoft 365 (Office 365) を契約しているなら、ご安心ください。追加コストゼロで、PPAPよりも遥かに安全で、簡単な代替手段がすでに手元にあります。
この記事では、なぜPPAPが危険なのか、そしてMicrosoft 365の「OneDrive」を活用した、安全なPPAP代替手段 (ppap 代替 手段 onedrive) について、その具体的な方法を分かりやすく解説します。
なぜ、PPAPは危険なのか?(簡単なおさらい)

PPAPが問題視される主な理由は、以下の2点です。
ウイルスチェックをすり抜ける
メールの受信サーバーは、通常、添付されたファイルがウイルスに感染していないかスキャンします。しかし、パスワードで暗号化されたzipファイルは、中身をスキャンできません。 攻撃者はこれを悪用し、ウイルスを暗号化zipに入れて送りつけてくるのです。
盗聴のリスクは変わらない
ファイルとパスワードを2通に分けて送っても、同じ経路(メール)で送っているため、もしメールアカウント自体が乗っ取られたり、通信経路が盗聴されたりした場合、2通とも盗まれてしまい、何の意味もありません。
OneDriveが最強の「PPAP代替案」である3つの理由

では、なぜPPAPの代替案としてOffice 365 (ppap 代替 案 office365) のOneDriveが最適なのでしょうか。
1. そもそもファイルの実体を添付しない
OneDriveでの共有は、メールにファイルそのものを添付するのではなく、OneDrive上にあるファイルへの「アクセス用リンク」だけを送ります。ファイルの実体は安全なクラウド上にあり、受信者はそのリンクをクリックしてファイルにアクセスします。
2. Microsoft 365の基盤でウイルススキャンされる
OneDriveにアップロードされたファイルは、Microsoftの強力なセキュリティ基盤によって自動的にウイルススキャンされます。万が一、悪意のあるファイルが共有されても、受信者がアクセスする前にブロックされる可能性が高まります。
3. PPAPにはない、高度なセキュリティ設定が可能
これが最大のメリットです。PPAP OneDrive (ppap onedrive) 共有では、リンクに対して、PPAPにはない詳細なセキュリティ設定を適用できます。
- 有効期限:
リンクが有効な期間を「1週間だけ」などに限定できます。 - パスコード設定:
リンクを開くためのパスコードを設定できます。(※このパスコードは、共有相手のメールアドレス宛に送付されます) - ダウンロードの禁止:
最も強力な設定の一つ。これを有効にすると、受信者はブラウザ上でファイルを「閲覧」することしかできず、PCへのダウンロードや印刷、コピー&ペーストを禁止できます。
【基本操作】OneDriveで安全な共有リンクを作成する手順
OneDriveで安全な共有リンクを作成する方法については、以下記事で詳細に解説しております。
ブラウザ/エクスプローラ両方の共有リンク作成方法や、アクセス権限の設定方法をご確認ください。
日々のトラブル、まずこの一冊で解決しませんか?
OneDriveの共有は、PPAPの代替として非常に強力です。しかし、「共有リンクに有効期限をつけたいのに、設定項目がグレーアウトしている」「そもそも社外の人と共有できない」といったトラブルに遭遇することはないでしょうか。これらは、多くの場合、IT管理者によるSharePoint管理センターでの組織的な共有ポリシー設定が原因です。
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OneDriveのPPAP代替に関するよくある質問(FAQ)
- Q共有相手がMicrosoft 365ユーザーでなくても、ファイルを開けますか?
- A
はい、開けます。「リンクを知っているすべてのユーザー」で共有した場合、相手はMicrosoftアカウントを持っている必要はありません。ブラウザ上でファイルにアクセスし、設定されたパスワードを入力するだけで閲覧できます。
- Q容量の大きなファイルでも送れますか?
- A
はい、送れます。メール添付の容量制限(通常20MB~30MB程度)とは異なり、OneDriveではギガバイト単位の大容量ファイルでも、同じようにリンクで簡単に共有できます。
- Qzipファイルにしてパスワードをかけるのと、何が違うのですか?
- A
最大の違いは「ウイルススキャンの可否」です。前述の通り、暗号化されたzipはウイルススキャンをすり抜けてしまいます。OneDriveであれば、ファイル自体がスキャンされるため、より安全です。
- Q会社として、PPAP(パスワード付きzipの添付)を禁止することはできますか?
- A
はい、可能です。Exchange Onlineの管理者設定で、「トランスポートルール」を作成し、「パスワードで暗号化されたファイルが添付されたメール」をブロックまたは警告するように設定できます。ただし、これには管理者権限と専門知識が必要です。
- Q結局、PPAPは絶対にやめるべきですか?
- A
はい。セキュリティリスク(ウイルス感染、情報漏洩)と、受信側の手間(解凍、パスワード入力)の両方を考慮すると、PPAPを継続するメリットは、現在ではほぼ無いと言えます。OneDriveという、より安全で便利な代替手段がすでにある以上、速やかに移行することをお勧めします。
まとめ:「安全」と「簡単」は両立できる
長年続いたPPAPという習慣を変えるのは、少し勇気がいるかもしれません。しかし、Microsoft 365(OneDrive)を活用すれば、追加コストをかけることなく、セキュリティを飛躍的に高め、かつ相手の手間も減らすことができます。
ppap 代替 手段 onedriveの導入は、単なるセキュリティ対策ではなく、社内外とのコミュニケーション全体を効率化する、攻めの業務改善です。ぜひ、今日からあなたのメール送信方法を見直してみてはいかがでしょうか。
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