「いつもお世話になっております。株式会社〇〇の酒井です。」
「見積書をご送付いたします。ご確認のほど、よろしくお願いいたします。」
日々のメール業務において、このような「定型文」を、毎回手入力したり、別のメモ帳ファイルからコピー&ペーストしたりしていませんか? あるいは、特定のメンバー(例:上司や経理担当)を、いつもCCに入れ忘れてしまったり…。
その作業は、非常に時間がもったいないだけでなく、コピーミスや宛先漏れの原因にもなりかねません。
ご安心ください。「新しいOutlook」には、よく使う文章のひな形を保存しておける、標準の「メール テンプレート」機能が搭載されています。(outlook メール テンプレート)
この記事では、その簡単な登録方法と使い方、そしてこの機能を利用する上での非常に重要な「注意点」について、分かりやすく解説します。
「新しいOutlook」の「メール テンプレート」機能とは?

「メール テンプレート」とは、よく使う定型文や文章のひな形を、Outlook内に保存しておき、「新規メール」作成時に簡単に呼び出せる機能です。
この機能の優れた点は、メール本文だけでなく、「宛先(To)」「CC」「BCC」、そして「件名」までも丸ごとテンプレートとして保存できることです。
さらに、このテンプレートは、お使いのアカウント(クラウド)に保存されるため、PCにインストールした「新しいOutlook」アプリでも、Webブラウザ版のOutlook (OWA) でも、共通のテンプレートを利用できるのが大きなメリットです。
【基本操作】テンプレートの「保存(新規作成)」手順
まずは、よく使う定型文をテンプレートとして登録してみましょう。
「新しいOutlook」で、「新規メール」ボタンを押し、メール作成画面を開きます。

テンプレートとして保存したい内容(宛先、CC、BCC、件名、本文、書式設定、画像など)を、メールとして作成します。 (例:件名に「【日報】〇〇部」、BCCに上司のアドレスを常に入れておく、など)

メッセージタブ(上部メニュー)にある「・・・」(三点ボタン)をクリックします。

メニューから「メール テンプレート」にカーソルを合わせ、「メールをテンプレートとして保存」を選択します。

テンプレート一覧が画面右側に表示されるので、分かりやすい名前(例:「打合せ日程調整のテンプレート」など)を付けて、「保存」をクリックします。

これで、あなたのOutlookアカウントに、outlook メール テンプレートが保存されました。
【基本操作】保存したテンプレートから「新規メールを作成する」手順
登録したテンプレートを呼び出すのは、少し特徴的な操作ですので、注意してご覧ください。
Outlookのメイン画面(受信トレイなど)で、「ホーム」タブにある「新規メール」ボタンの右側にある「下矢印 ▼」をクリックします。

メニューが表示され、「テンプレートからのメール」という項目が選択できます。

これをクリックすると、先ほど保存したテンプレートの一覧が表示されるので、使用したいテンプレートをクリックします。

テンプレートの内容(宛先、CC、BCC、件名・本文)が反映された、新しいメール作成ウィンドウが開きます。必要に応じて内容を編集し、メールを送信します。

【最重要】このテンプレート機能の「大きな注意点」

この機能は非常に便利ですが、現時点(2025年11月)で、IT担当者として必ず把握しておくべき、非常に重要な注意点があります。
この機能は「新規メール」の作成時にしか利用できません。 「返信」や「転送」メールの作成時には、テンプレートを呼び出すメニューが 表示されません。
「よくある問い合わせへの回答」として使いたいケースが多いだけに、これは大きな制約となります。お客様からの問い合わせメールに「返信」する際、このテンプレート機能で定型文を呼び出すことはできない、とご認識ください。
返信メールで定型文を使いたい場合は、現状では別途メモ帳で管理してコピー&ペーストなどを検討する必要があります。
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「メール テンプレート」機能は、今後のアップデートでの機能改善が期待されます。このように、Microsoft 365の機能は日々変化しており、時には「昨日まで使えた機能がない」「設定場所が変わった」といったトラブルも発生します。
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Outlook メール テンプレートに関するよくある質問(FAQ)
- Qなぜ「返信」メールではテンプレートを使えないのですか?
- A
現時点での「新しいOutlook」の設計仕様となります。テンプレート機能が、「新規メールのひな形を作成する」という位置づけのため、返信メールの本文中に挿入する機能がまだ搭載されていません。今後のアップデートに期待しましょう。
- Q従来のOutlook(クラシック版)の「クイックパーツ」とは違いますか?
- A
はい、別の機能です。「クイックパーツ」はPCのローカルファイルに保存されるため、別のPCでは使えませんでした。今回の「メール テンプレート」はクラウド(アカウント)に保存されるため、Web版Outlookなど、どこからサインインしても同じテンプレートを利用できます。
- Qテンプレートに画像や書式(太字など)も保存できますか?
- A
はい、可能です。テンプレート作成時に、メール本文で設定した書式(太字、文字色、ハイパーリンク、画像など)も、そのままテンプレートとして保存されます。
- Qテンプレートは何個まで保存できますか?
- A
保存できるテンプレートの数に明確な上限は公表されていませんが、一般的なビジネス利用で数十個のテキストベースのテンプレートを保存する分には、問題は発生しないと考えられます。
- Qテンプレートをチーム全員で共有することはできますか?
- A
この「メール テンプレート」機能は、基本的に個人用です。チーム全員(例:営業部やサポート窓口)で、回答用のテンプレートを共有・管理したい場合は、別途「共有メールボックス」の機能と組み合わせて運用したり、専用のサードパーティ製ツールを検討したりする必要があります。
まとめ:「新規作成」の時短を実現。返信への対応は今後に期待

「新しいOutlook」に搭載された「メール テンプレート」機能は、現時点では「新規メール作成時のみ」という制約はあるものの、宛先やCC、BCCも含めて丸ごと保存でき、さらにクラウドで同期されるという点で、非常に強力なツールです。
見積書や請求書の送付状、新規の案内メール、上司への日報(BCCに他部署のマネージャーも入れる)など、「新規作成」する定型文については、この機能を活用することで、メール作成の時間を大幅に短縮し、宛先漏れなどのミスも防ぐことができます。 「返信」での利用については、今後のMicrosoftのアップデートに期待しましょう。
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今回はOutlookのテンプレート機能という「小さな効率化」をご紹介しましたが、こうした改善の積み重ねが、組織全体の生産性を向上させます。
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