「Copilot Studioが便利そうなのは分かったけど、具体的にうちの会社ではどう使えるの?」 「実際に導入している会社の例や、作り方の手順を知りたい」

入門編を読んで、次はこのように感じている方も多いのではないでしょうか。今回はさらに一歩踏み込み、Copilot Studioの具体的な活用シーンや導入事例、そして自社でAIアシスタントを作成するための簡単な5つのステップをご紹介します。

はじめに

ツールの機能を知るだけでは、自社での活用イメージはなかなか湧きにくいものです。

しかし、実際に「どんな業務」で「どのように使われ」「どんな成果が出ているのか」という具体例を見ることで、その可能性は一気に現実味を帯びてきます。

この記事が、皆様の会社でAI活用のアイデアを広げるきっかけになれば幸いです。

Copilot Studio企業向けユースケース

Copilot Studioの活用範囲は非常に広く、様々な部署の課題解決に役立ちます。

  • カスタマーサポートの革新:
    24時間365日対応のAIチャットボットをウェブサイトに設置し、顧客からのよくある質問に自動応答。オペレーターはより複雑な問い合わせに集中できます。
  • 社内ヘルプデスクの効率化:
    IT部門への「パスワードを忘れた」、人事部門への「休暇申請の方法は?」といった社内問い合わせの一次対応を自動化。担当者の負担を大幅に減らします。
  • 業務プロセスの自動化:
    定例報告書の下書き作成、長文メールの要約、データ入力作業の補助などをAIがサポートし、日々の業務時間を短縮します。
  • 営業・マーケティング支援:
    ウェブサイト訪問者とAIが対話し、見込み客の情報を自然に獲得したり、簡単な見積もりを自動作成したりして、営業活動を効率化します。

【業種・部門別 Copilot Studio活用シナリオ例】

業種・部門課題Copilot Studioによる解決策
小売業・カスタマーサービス商品在庫や返品に関する問い合わせが多いFAQチャットボットで24時間自動応答。配送状況の自動照会も可能に。
製造業・社内ITヘルプデスク工場から生産管理システムの操作質問が多いシステムのマニュアルを学習させた社内エージェントを構築。
金融機関・営業複雑な金融商品の初期相談に時間がかかる商品情報を学習させたAIエージェントがウェブサイトで初期相談に対応。
全業種共通・人事採用応募者からの問い合わせ対応が大変採用FAQチャットボットを導入し、定型的な質問に自動で回答。

これらの活用事例はMicrosoft 365 Copilotなしでも実現可能

ここで改めて強調したいのは、本記事で紹介したような多様なAIアシスタントの構築と、それらを企業のウェブサイトや社内ポータルなどへ展開することは、Copilot Studioの単独ライセンス(従量課金制またはメッセージパック)で実現可能であるという点です。Microsoft 365 Copilotの契約は必須ではありません。

最新の価格は公式ページでご確認ください。
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-copilot/microsoft-copilot-studio

単独ライセンスについては以下記事で紹介しています。

Copilot Studio導入・自社専用エージェント作成の5ステップ

専門家でなくても、以下の簡単なステップでAIアシスタントを作成できます。

1
目的の明確化と計画

まず、何を自動化したいのか、どんな課題を解決したいのかを具体的に決めます。

例)「総務への雑多な問い合わせが多く、対応に時間がかかる。基本的に一次対応はbotで行い人間の工数を削減する」

2
エージェントの基本設計

Copilot Studio上でAIアシスタントに名前を付け、基本的な振る舞いを設定します。

例)「"総務窓口君"というエージェントを作成。Teamsでいつでも問い合わせ回答ができる環境をつくる。回答には就業規則など社内のドキュメントをナレッジソース(情報ソース)として用いる。そのほかWeb検索の情報は回答生成に用いない。」

3
ナレッジソースの接続

AIが回答の根拠とする情報源(ウェブサイトや社内文書など)を接続します。

例)就業規則など社内ドキュメントが格納されているSharePointフォルダをナレッジソースとして接続する。

4
会話フロー(トピック)の設計

「もしこう質問されたら、こう答える」という対話の流れを視覚的に作成します。

例)ナレッジソースで回答できない内容の場合は「総務の○○へTeamsで連絡してください」といったメッセージを表示するよう設定する。

5
テスト、公開、そして継続的な改善

動作をテストし、問題がなければ公開。利用状況を見ながらAIを育てていきます。

導入事例紹介:日本企業はCopilot Studioをこう活用している

  • 株式会社ベネッセホールディングス:
    社内イントラネットの情報を基に、社員からの多様な質問に回答する「社内相談AI」をCopilot Studioで開発。部門を越えた情報検索が速くなり、業務効率が向上しました。
  • 伊藤忠商事株式会社:
    Copilot製品群をデータ分析基盤と連携させ、市場トレンドの分析や新商品のコンセプト立案に活用。データに基づいた迅速な意思決定を実現しています。

これらの事例は、Copilot Studioが具体的なビジネス課題の解決に直結することを示しています。

参考情報:企業での Microsoft Copilot 活用事例|導入効果と成功ポイント

まとめ:Copilot Studioで自社の課題を解決し、新たな価値を創造する

具体的な活用事例や導入ステップを通じて、自社での利用イメージが湧いてきたのではないでしょうか。Copilot Studioは、アイデア次第で様々な業務に応用できる柔軟なツールです。ぜひ、自社の課題解決と新たな価値創造のパートナーとして、Copilot Studioの活用をご検討ください。

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