• Power Automateで業務を自動化したいけれど、何から始めればいいのかわからない
  • ブラウザ版とデスクトップ版があるようだけど、どちらを使えばいいの?
  • プログラミングの知識がなくても本当に使えるの?

Power Automate(パワーオートメイト)は、Microsoft 365に含まれている業務自動化のツールです。

プログラミングの知識がなくても、「きっかけ」と「やること」を画面上で組み合わせるだけで、メールの送信やファイルの保存といった定型作業を自動化できます。

この記事でわかること
  • Power Automateの基本(トリガー・アクション・コネクタ)
  • ブラウザ版(Web版)とデスクトップ版の違いと使い分け
  • テンプレートを使ったフローの作り方(最新画面付き)
  • 一から自分でフローを作り、保存・テストするまでの手順
  • 作ったフローの確認方法と、うまく動かないときのチェックポイント

この記事では、Microsoft 365の導入・活用支援を行うWITHWITが、初心者の方向けにPower Automateの使い方を、ブラウザ版の実際の画面で解説します。

Power Automateの使い方は「トリガー」と「アクション」の組み合わせ

Power Automateの使い方の基本は、自動化の「きっかけ(トリガー)」を1つ決めて、その後に「やること(アクション)」を順番に並べることです。

この一連の処理を「フロー」と呼びます。

Power Automateの全体像や料金は「Power Automateとは?できること・Desktopとの違い・料金と始め方」で解説しています。

たとえば「メールが届いたら(トリガー)、添付ファイルをOneDriveに保存する(アクション)」というフローを作ると、それ以降は届いたメールの添付ファイルが自動で保存されるようになります。

最初に覚えたい3つの用語

フローを作るときに出てくる用語は、次の3つを押さえておけば十分です。

用語意味例
トリガーフローを開始するきっかけメールが届いたとき、毎週月曜9時、ボタンを押したとき
アクショントリガーの後に実行する処理メールを送信する、ファイルを保存する、Teamsに投稿する
コネクタOutlookやTeamsなど、連携するサービスとの接続口Office 365 Outlook、Microsoft Teams、SharePoint
トリガーとアクションを組み合わせたフローのイメージ

アクションの中で前のステップの値(メールの件名や差出人など)を使いたいときは、「動的なコンテンツ」から選んで差し込みます。

値を手で入力しなくても、受信したメールの内容などを次の処理に引き継げるのがPower Automateの便利な点です。

ブラウザ版(Web版)とデスクトップ版の違い

Power Automateには、ブラウザで使う「ブラウザ版(クラウドフロー)」と、Windowsにインストールして使う「デスクトップ版(Power Automate for desktop)」があります。

初心者の方は、インストール不要ですぐに始められるブラウザ版から使い始めるのがおすすめです。

項目ブラウザ版(クラウドフロー)デスクトップ版(デスクトップフロー)
使い方ブラウザでmake.powerautomate.comを開くWindows 10/11にアプリをインストール
得意なことOutlook・Teams・SharePointなどクラウドサービスの連携Excel操作や社内システムなど、PC上の画面操作の自動化(RPA)
実行場所Microsoftのクラウド(PCの電源が切れていても動く)自分のPC(PCが起動している必要がある)
主な費用標準コネクタはMicrosoft 365のライセンスで利用可能手動実行はWindowsユーザーなら無料。自動・無人実行は有料
ブラウザ版とデスクトップ版の違いのイメージ

この記事では、ブラウザ版の使い方を解説します。

デスクトップ版を使いたい方は、インストール手順を「Power Automate Desktop 無料版のダウンロード・インストール手順」で解説しています。

使い始める前に準備するもの

ブラウザ版のPower Automateは、Microsoft 365の職場アカウントとブラウザがあればすぐに使い始められます。

特別なソフトのインストールは必要ありません。

  • Microsoft 365の職場または学校アカウント:
    Business Basic・Business Standard・Business PremiumやOffice 365 E3などのライセンスには、Power Automateのクラウドフローの利用権が含まれています
  • ブラウザ:
    Microsoft EdgeやGoogle Chromeなどの最新のブラウザ
  • 連携するサービスへのアクセス権:
    OutlookやTeams、SharePointなど、自動化したいサービスを自分のアカウントで使える状態にしておく

Microsoft 365のライセンスで使えるのは「標準コネクタ」までです。

Salesforceなどの外部サービスやHTTP要求を使う「プレミアムコネクタ」を使う場合は、Power Automate Premium(1ユーザーあたり月額2,248円・年払い)などの有料ライセンスが必要です。

どの業務でどのライセンスが必要になるかは、次の記事で詳しく解説しています。

Power Automate(ブラウザ版)の開き方と画面の見方

ブラウザ版は、ブラウザで「make.powerautomate.com」を開き、Microsoft 365のアカウントでサインインすると使えます。

Microsoft 365のホーム画面左上のアプリ起動ツール(9つの点のアイコン)から「Power Automate」を選んでも開けます。

サインインすると、次のような画面が表示されます。

Power Automate(ブラウザ版)の画面構成:左メニュー(1)、フローの作成方法(2)、作成済みフローの一覧(3)
Power Automate(ブラウザ版)の画面構成:左メニュー(1)、フローの作成方法(2)、作成済みフローの一覧(3)
メニューできること
ホームおすすめのテンプレートや学習コンテンツを表示する
作成フローの種類を選んで、一からフローを作る
テンプレート用意されたひな形を検索して、フローを作る
マイ フロー自分が作ったフロー・共有されたフローを一覧で確認する
承認承認フローで届いた申請を確認・承認する

フローの作り方には「テンプレートから作成する」「最初から作成する」「Copilotから作成する」の3つがあります。

初めての方は、まずテンプレートで完成形のフローを体験し、慣れてきたら一から作る流れがおすすめです。

どんな業務を自動化できるかは「Power Automate活用事例12選」を参考にしてください。

使い方①:テンプレートからフローを作る

テンプレートは、よく使われる自動化のひな形です。

接続を確認して保存するだけでフローが完成するため、初心者の方が最初に試すのに最適です。

ここでは例として、「Outlookで受信したメールの添付ファイルをOneDriveに保存する」テンプレートを使います。

手順1:テンプレートを検索して選ぶ

左メニューの「テンプレート」をクリックし、検索ボックスに「添付ファイル」などのキーワードを入力します。

表示された一覧から、使いたいテンプレートをクリックします。

左メニューの「テンプレート」を開き、キーワードで検索して使いたいテンプレートをクリックする
左メニューの「テンプレート」を開き、キーワードで検索して使いたいテンプレートをクリックする

手順2:接続を確認して「続行」をクリックする

テンプレートの詳細画面に、フローで使うサービス(ここではOffice 365 OutlookとOneDrive for Business)が表示されます。

各サービスの右側に緑のチェックマークが付いていれば接続済みです。

「サインイン」と表示されている場合は、クリックして自分のアカウントでサインインしてから「続行」をクリックします。

接続するサービスにチェックマークが付いていることを確認し、「続行」をクリックする
接続するサービスにチェックマークが付いていることを確認し、「続行」をクリックする

手順3:内容を確認して「保存」する

デザイナー画面が開き、トリガー「On new email」とその後の処理が表示されます。

各ステップをクリックすると、保存先のフォルダーや対象のメールの条件を変更できます。

内容を確認したら、右上の「保存」をクリックします。

デザイナーでトリガーとアクションの内容を確認し、右上の「保存」をクリックする
デザイナーでトリガーとアクションの内容を確認し、右上の「保存」をクリックする

保存すると、フローは自動でオンになります。

以降は、添付ファイル付きのメールが届くたびに、OneDriveの指定したフォルダーへファイルが保存されます。

使い方②:一から自分でフローを作る

テンプレートに目的のフローがない場合は、「作成」から自分でフローを組み立てます。

ここでは、ボタンを押すと自分宛てにメールが送信される、最もシンプルなフローを作ってみます。

手順1:フローの種類を選ぶ

左メニューの「作成」をクリックし、作りたいフローの種類を選びます。

今回は「インスタント クラウド フロー」を選びます。

左メニューの「作成」で、フローの種類(自動化・インスタント・スケジュール済み)を選ぶ
左メニューの「作成」で、フローの種類(自動化・インスタント・スケジュール済み)を選ぶ
フローの種類開始するタイミング向いている業務
自動化したクラウド フローメール受信やファイル追加などのイベント添付ファイルの保存、申請の通知
インスタント クラウド フローボタンを押したとき(手動)定型メールの送信、動作のテスト
スケジュール済みクラウド フロー指定した日時・間隔毎週のリマインド、定期レポート

手順2:フロー名とトリガーを設定する

「フロー名」に「はじめてのフロー」などわかりやすい名前を入力し、トリガーとして「フローを手動でトリガーする」を選んで「作成」をクリックします。

フロー名を入力し、トリガー「フローを手動でトリガーする」を選んで「作成」をクリックする
フロー名を入力し、トリガー「フローを手動でトリガーする」を選んで「作成」をクリックする

手順3:アクションを追加する

デザイナー画面でトリガーの下にある「+」をクリックし、「アクションの追加」を選びます。

検索ボックスに「メールの送信」と入力し、Office 365 Outlookの「メールの送信 (V2)」をクリックします。

メールの自動送信や添付ファイルの保存は「Power AutomateとOutlookの連携方法」で詳しく解説しています。

トリガーの下の「+」から「アクションの追加」を開き、「メールの送信」で検索して「メールの送信 (V2)」を選ぶ
トリガーの下の「+」から「アクションの追加」を開き、「メールの送信」で検索して「メールの送信 (V2)」を選ぶ

手順4:アクションの内容(パラメーター)を入力する

画面左側にアクションの設定画面が開きます。

「宛先」に自分のメールアドレス、「件名」と「本文」に送りたい内容を入力します。

赤い「*」が付いた項目は入力が必須です。

アクションのパラメーター(宛先・件名・本文)を入力する
アクションのパラメーター(宛先・件名・本文)を入力する

手順5:保存してテストする

右上の「保存」をクリックしてフローを保存し、続けて「テスト」をクリックします。

「手動」を選んで「テスト」→「フローの実行」の順に進むと、フローが実行されます。

「保存」(1)でフローを保存し、「テスト」(2)で動作を確認する
「保存」(1)でフローを保存し、「テスト」(2)で動作を確認する

各ステップに緑のチェックマークが付けば成功です。

自分宛てにメールが届いていることを確認しましょう。

失敗した場合は赤い「!」が表示されたステップをクリックすると、エラーの内容を確認できます。

作ったフローの確認・編集・停止の方法

作ったフローは、左メニューの「マイ フロー」から確認できます。

フロー名をクリックすると詳細画面が開き、実行結果や接続先を確認できます。

フロー名をクリックすると詳細画面が開き、「28日間の実行履歴」で成功・失敗を確認できる
フロー名をクリックすると詳細画面が開き、「28日間の実行履歴」で成功・失敗を確認できる
  • 実行履歴の確認:
    「28日間の実行履歴」に、いつ実行されて成功したか・失敗したかが表示されます。行をクリックすると、各ステップの入力値と出力値を確認できます
  • フローの編集:
    画面上部の「編集」をクリックすると、デザイナー画面が開いてステップを変更できます
  • フローの停止:
    一時的に止めたいときは「オフにする」をクリックします。削除せずに停止できるので、再開したいときは「オンにする」で元に戻せます
  • フローの共有:
    「共有」から同僚を共同所有者に追加すると、作成者が不在のときもフローを管理できます。手順は「フローを共有する方法」で解説しています

うまく動かないときのチェックポイント

フローが動かない原因の多くは、「接続」「トリガーの条件」「オン・オフの状態」のいずれかです。

次の順に確認すると、原因を見つけやすくなります。

  • フローがオンになっているか:
    マイ フローの詳細画面で「状況」が「オン」になっているかを確認します
  • 接続が有効か:
    パスワード変更などで接続が切れると、「接続が無効です」と表示されて実行できなくなります。対処法は「Power Automateで「接続が無効です」エラーが出た時の完全ガイド」で解説しています
  • トリガーの条件が合っているか:
    対象のフォルダーやファイルの場所、件名の条件などが実際のデータと一致しているかを確認します
  • 実行履歴のエラー内容:
    失敗した実行を開き、赤い「!」が付いたステップのエラーメッセージを確認します

なお、Microsoft 365のライセンスで使っているクラウドフローは、90日間一度もトリガーされないと停止されることがあります(停止の30日前に所有者へ通知されます)。

しばらく使っていなかったフローが動かないときは、オンになっているかを確認しましょう。

Microsoft 365導入支援の現場では、「作成者が異動・退職して、部署で使っていたフローが止まってしまった」というご相談をよくいただきます。

部署で使うフローは、作成時から共同所有者を追加しておくと安心です。


日々のトラブル、まだ一人で解決しますか?

フローの自動化は楽しい反面、少し複雑なことをしようとすると、エラーや設定の「壁」にぶつかりがちです。

もしあなたが社内からの問い合わせ対応に追われているなら、まずはこの一冊を手元に置いてみてください。

Microsoft 365支援のプロが、現場で実際に寄せられるよくある質問と解決策を厳選してまとめました。

▼資料ダウンロードはこちら 『社内からの「これどうやるの?」を9割削減する Microsoft 365 トラブルシューティング大全』


慣れてきたら覚えたい機能

基本のフローが作れるようになったら、条件分岐や繰り返し、Teamsとの連携を覚えると、自動化できる業務が一気に広がります。

  • 条件分岐(条件):
    「金額が3万円以上なら上司に通知する」など、条件によって処理を分けます。詳しくは「条件分岐と変数の使い方」で解説しています
  • 繰り返し(Apply to each):
    複数のメールやリストの項目に対して、同じ処理を1件ずつ実行します。詳しくは「Apply to each(それぞれに適用する)の使い方」で解説しています
  • 承認:
    申請内容を上司に送り、承認・却下の結果によって処理を分けます。作り方は「承認フローを作る方法」で解説しています
  • Teamsへの自動投稿:
    毎週の定例リマインドなどをTeamsのチャネルに自動で投稿します。手順は「Power AutomateでTeamsに自動投稿する手順」で解説しています
  • Copilotから作成:
    「Outlookにメールが届いたらTeamsに通知する」のように自然な文章で指示すると、Copilotがフローの下書きを作ります。環境の設定によっては、管理者による生成AI機能の有効化が必要です

よくある質問

Q
Power Automateは何に使えますか?
A

メールの自動送信、添付ファイルの保存、Teamsへの通知、承認フロー、SharePointリストやExcelへのデータ転記など、決まった手順で繰り返す作業の自動化に使えます。
デスクトップ版を使えば、社内システムへの入力などPC上の画面操作も自動化できます。

Q
Power Automateの月額料金はいくらですか?
A

Microsoft 365の多くの法人向けプランに含まれているため、標準コネクタを使うクラウドフローは追加費用なしで使えます。
プレミアムコネクタや無人実行のデスクトップフローを使う場合は、Power Automate Premium(1ユーザーあたり月額2,248円・年払い)などの有料ライセンスが必要です。

Q
Power Automateは簡単に使えますか?
A

テンプレートを使えば、検索して接続を確認し、保存するだけでフローを作れるため、プログラミングの知識がなくても使い始められます。
一から作る場合も、トリガーとアクションを画面上で選んで並べるだけなので、まずは自分宛てのメール送信など簡単なフローから試すのがおすすめです。

Q
Power Automateの欠点は何ですか?
A

外部サービスとの連携に使うプレミアムコネクタは有料であること、1日に実行できるアクション数に上限があること、作成者の退職などで接続が切れるとフローが止まることなどが挙げられます。
部署で使うフローは共同所有者を設定し、利用状況に合わせてライセンスを選ぶことが大切です。

Q
Power Automateのテンプレートの使い方は?
A

左メニューの「テンプレート」を開き、「添付ファイル」「Teams」などのキーワードで検索して、使いたいテンプレートを選びます。
詳細画面で連携するサービスに接続済みであることを確認して「続行」をクリックし、デザイナーで内容を確認・修正して「保存」すれば完成です。

まとめ

  • Power Automateは、「トリガー(きっかけ)」と「アクション(やること)」を組み合わせて業務を自動化するツール
  • 初心者は、インストール不要でMicrosoft 365のライセンスですぐに使えるブラウザ版から始めるのがおすすめ
  • まずはテンプレートで完成形を体験し、慣れたら「作成」から一から組み立てる
  • 作ったフローは「マイ フロー」で実行履歴を確認し、エラー時は接続・条件・オンオフの状態をチェックする
  • 部署で使うフローは共同所有者を追加し、プレミアムコネクタが必要な場合はライセンスを確認する

まずは「自分宛てにメールを送るフロー」や「添付ファイルを自動保存するテンプレート」から試してみてください。

小さな自動化でも「本当に勝手に動いた!」という感覚をつかめば、ほかの業務にも応用したくなるはずです。


他社はPower Automateをどう活用している?

今回はPower Automateの基本的な使い方をご紹介しましたが、Microsoft 365には、TeamsやSharePointと連携した業務効率化のテクニックがほかにもたくさんあります。

「他社は具体的にどう活用しているの?」という疑問をお持ちでしたら、ぜひ弊社の「中小企業の導入成功事例集」をご覧ください。

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参考資料

Microsoft 365に関するご相談やお悩みがございましたら、ぜひ株式会社WITHWITまでお気軽にお問い合わせください。
数あるクラウドサービスの中でMicrosoft 365 に特化してきたからこそ導入前から導入後の定着に至るまで、幅広いご相談に対応いたします。